繊細な糸かけアート 岩出市の西薮さん

板にくぎを打ち、糸をかけて作る糸かけアート。海外ではストリングアートと呼ばれ、人気が高まり、日本にも広まってきている。岩出市の西薮由紀さん(54)は始めて5年。糸をくぎの間にかけるだけで精緻な模様が浮かんでくる面白さ、直線で引っ張っているのに、渦を巻くように丸くなる不思議さに魅せられ、「のめり込み過ぎて、肩が上がらなくなったこともある」ほど熱中している。

西薮さんが糸かけアートに出合ったのは、たまたま見ていたインスタグラムがきっかけだった。「こんな奇麗なものがあるのか」と驚き、すぐにワークショップに参加。昔から編み物が好きだった西薮さんは、もっと深く知りたいと、千葉県の糸かけデザイン研究所が聞くオンライン講座で初級から本格的に学んだ。同研究所で開発された基本理念や開発手法を習得し、上級者のさらに上のランク、糸かけを極めた人にのみ与えられる「糸かけ師」の免許皆伝資格を昨年、取得した。

糸かけアートには、規則正しく糸をかけて美しい模様を描くものや、西薮さんのように絵を描くように作るフリースタイルがある。

デザインを考えて板にくぎを打ち、何重にも糸をかけ、立体的に仕上げていく。「やっている時は、他のことを全く考えず、瞑想みたいな状態になる」という。90㌢×90㌢の作品を一日で作り上げる。途中でやめると、次に始める時、どうやって作ろうと思っていたか忘れてしまうので、できる限り一気に作るそうだ。「奇麗な模様ができた時の達成感や喜びが、糸かけアートの一番の魅力」と笑顔。西薮さんの夢は「糸かけは一部の人が楽しむものではなく、折り紙のように皆が気軽に楽しめる日本の文化になるよう、魅力を広めていくこと」だという。

 

糸をくぎにかけて作る糸かけアート

 


初めての作品展開催 10、11日 緑花センターで

西薮さんは初となる作品展を2月10、11の両日、岩出市の県植物公園緑花センターで開く。約30点の作品展示と、ワークショップも行う予定。「糸かけアートに難しい技術は必要なく、子どもさんや高齢の方もできます。デザインを考えながら手を動かすので、脳トレにもリハビリになるので、皆さんに気軽に体験してほしい」と呼び掛けている。

作品展は午前9時から午後5時まで。