フレッシュな縁起酒 中野BC「立春朝搾り」
立春の朝に搾ったばかりの新酒をその日のうちに出荷する行事「立春朝搾り」が4日、和歌山県海南市藤白の中野BC㈱(中野幸治代表取締役社長)で行われた。
「立春朝搾り」は、立春の日に搾り、無病息災や商売繁盛を祈願した縁起酒で、春の訪れを祝ってもらおうと日本名門酒会が主催する恒例行事。ことしで26回目を迎え、35都道府県43蔵が参加、県内からの参加は同社のみ。
「立春朝搾り」はフレッシュな香りと新酒ならではの濃厚さが楽しめ、日本酒ファンの間で人気が高い。武田博文杜氏は「程よい吟醸香と雄町らしいふくらみを感じ、苦渋が後口を締めていい余韻の中にキレを演出する仕上がりになっている」とことしの味わいを話す。
同日未明から武田杜氏をはじめ、蔵人8人が純米吟醸酒「超久」のもろみから新酒(生原酒)を4、5時間かけて搾り、約3400本(720㍉㍑瓶)に瓶詰めをした。
その後、瓶詰めしたばかりの新酒に「立春朝搾り」のラベルを貼り付け、箱詰め。蔵内の稲荷の前で藤白神社の神主による祈祷(きとう)が行われ、県内外の酒販店に出荷された。
同社営業本部フード・マテリアル事業部営業企画室の小川真生副主任(30)は「春の訪れを告げる縁起の良いお酒を楽しんでもらい、春を感じてもらえたら」と話している。