「ISSEKI」に2商品 紀の川市認定ブランド

和歌山県紀の川市の生産者と全国のクリエーターが組んで生まれた商品を、紀の川市が認定ブランド「ISSEKI」として認定する第1弾に、「季節の変わりしゅうまい 紀の川 黒米包み」「xherb(クロスハーブ)」が選ばれた。同市西大井の市役所で商品の紹介と試食会があり、各組が自慢の製品を披露した。

「ISSEKI」は、農業の担い手不足や耕作放棄、コロナ禍による流通先の危機を打開し、新たな地域産品を生み出そうと立ち上げられた。ブランド名は「一石を投じる」にちなみ、同市で始まった挑戦が全国に広がればという思いから名付けられた。

市が第1次産業の生産者・地域ブランドのプロデュースを手掛ける㈱MISO SOUP(東京都板橋区、北川智博代表)に運営を委託し、2021年から22年にかけて6次産業化を支援する第1回Local Co-Creation Project in紀の川(以下LCP)を実施。昨年3月に行われたコンテストで入賞した2商品が、第1弾認定となった。

このうち、㈱かたやま農園(紀の川市上野、片山篤代表取締役)の「季節の変わりしゅうまい 紀の川 黒米包み」は、市内で採れた旬の野菜を混ぜた餡を黒米の皮で包んだ一品。黒米の風味やもちもち感を出すため、米粒をそのまま皮として使用。餡は無農薬野菜を栽培する片山さんの農家仲間に協力を依頼し、春夏秋冬で異なる四つの味わいを表現した。商品は、数量限定で旬のおいしさそのままに急速冷凍し、届けられるという。

また、㈲OneHERB(紀の川市杉原、米田基人代表)の(「xherb(クロスハーブ)」は、自然との共生を研究する農学博士が生み出した天然ハーブの調香料を製品化。ケミカルフリーで栽培されたフレッシュハーブの香りを新鮮なまま抽出し、液体化したもの。スプレータイプで使えるようになっており、食べ物だけでなく、飲み物にも使える。フレッシュハーブの香りはそのままに調味料のように個人の気分に合わせて手軽に香りを付けて楽しめる。

2商品は今後、「ISSEKI」ブランドのロゴマークが使える他、各地の企業展への出展・PR支援が受けられる。また、JA紀の里のめっけもん広場や東京の県アンテナショップなどで販売する。

お披露目会に同席したMISOSOUPの北川代表は「地域ブランドはつくって終わりではなく、もっとつくり出されないと意味がない。地元の加工商品開発がさらに発展し、魅力的なものであり続けるように支援していきたい」と決意を述べた。

片山代表取締役は「とてもおしゃれな認定ブランド。一生懸命頑張りたい。できれば第2弾にも挑戦したい」と意欲を示した。米田代表は「ブランド名とコンセプトが素晴らしい。香りの文化を世の中に広げていけるように頑張っていきたい」と喜びを語った。

 

認定を受け喜びを見せた米田さん㊧と片山さん㊨