繊細な針使いにうっとり 如紡希さん作品展
古布や着物などをリメークして作品にする、アトリエ「てんてん」の古布アーティスト、如紡希(きさら・つむぎ)さん(76)の展示会「よみがえりのひなびなパート2」が和歌山県海南市阪井の登録有形文化財、山本勝之助商店母屋で始まり、開催を心待ちにしいていた人らでにぎわっている。3月5日まで。
紀美野町の公民館などで講師を務めてきた如さんの展示会で、昨年に引き続き2回目の開催。
今回初出展となる「舌きりすずめ」や、前回好評だった「ねずみの嫁入り」など、物語を再現した世界観が楽しめるのも魅力の一つ。
風呂敷をリメークした鬼やウサギ、石川県金沢地域に伝わる「花嫁のれん」など、色鮮やかな世界に一つだけのオリジナル作品が並び、来場者は、ネコのヒゲや草履(ぞうり)などの細かい部分も表現した繊細な作品にくぎ付けになっていた。
和歌山市から来た杉本美紀江さん(66)は「ことしの開催を待っていた。一つひとつ細かくてすごいしか言葉が出ない。愛嬌(あいきょう)のある表情でずっと見ていられる」と笑顔。如さんは「来た人が癒やされたとか、この空間に泊まりたいと言ってくれる。喜んでもらい楽しんで帰っていただけるだけでうれしい」と話している。作品の即売もある。
午前10時~午後4時。問い合わせは如さん(℡090・9277・2177)。