紀州ヒノキの良さ知って 大谷木工が製品化

50年以上にわたり木工品を作り続ける和歌山市湊御殿の大谷木工(大谷博之社長)。昨年から地元和歌山で育った紀州ヒノキを使った製品を作り、話題を呼んでいる。

同社はこれまで板材の繊細な加工技術で全国の神社に奉納される絵馬をメインに制作してきた。使っていたのは輸入材。2021年にウッドショックが起き、輸入木材の価格が高騰。新型コロナの影響で参拝客が減り受注減となる中、このままでは厳しいと方向転換した。

ぬくもり、優しさ、癒やしの香りを身近に感じてほしいと、イヤリング、ネックレス、スプーンやフォーク、コースターなど日常で使うものが中心。絵馬作りの技術を生かした繊細な加工を施し、オーダーメードも受け付けている。

和歌山商工会議所青年部の依頼で、厚さ約2㌢の板に文字を彫刻した卒業証書を制作。このほど行われた同青年部の卒業式で手渡され、好評だった。

菅沼直子さん(50)は初めて見る木の卒業証書に驚き「ずっと飾って残しておけるのでうれしい」と笑顔だった。

大谷代表(43)は「紀州ヒノキには殺菌、消臭、リラックスなどさまざまな良さがある。それを全国の人に知ってもらいたい」と話している。

同社の製品は近鉄百貨店和歌山店、紀美野町のnicorire(ニコリル)などで販売。詳しくは同社のホームページ(https://www.woodme-hinoki.com/)。

絵馬作りの技術を生かす大谷社長

絵馬作りの技術を生かす大谷社長