小学校給食を無償化 和市が23年度に実施

和歌山市は6日、市立小学校の2023年度の給食費を無償化すると発表した。物価高騰対策として国が支出する地方創生臨時交付金を活用し、1年間で6億8029万1430円を公費負担する予定。尾花正啓市長は同日の定例記者会見で、「子育て世帯は物価高騰の影響を受けやすく、支援を重視した」と話した。

市によると、内閣府から3月29日付で、同交付金8億3275万3000円を交付する通知があったことを受けての取り組み。市立小学校の給食費は1食約250円で、51校(伏虎義務教育学校の前期課程を含む)、1万3923人の年間195食分を無償化する。

4~6月の3カ月分の費用1億9187万7070円は、物価高騰関連の他の予算をひとまず流用し、後に交付金を充てる。1年間の無償化は、今月実施の市議選後に改めて市議会に議案として提案する方針で、一連の市の対応については市議会の理解を得られているという。

市は、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、昨年度の1~3月も小学校給食費を公費負担しており、さらに1年間、続けて実施されることになる。

恒久的な無償化について尾花市長は、財源の確保が難しいとしながらも、「できるだけ子育ての費用を少なくすることが重要。給食費無償化は要望も多く、私としてもやっていきたい」と意欲を示し、少子化対策予算の拡充を打ち出す国の動向を踏まえ、模索を続けていく。

 

小学校給食費の1年間無償化について説明する尾花市長