残る22議席巡り攻防 県議選が終盤戦
統一地方選前半戦の和歌山県議選(定数42)は、9日の投開票に向けて終盤を迎えている。全14選挙区のうち過去最多の9選挙区が無投票となり、すでに20議席が決定。残る22議席を29人の候補者が争っており、本紙エリアは県都・和歌山市(同15)と紀の川市(同3)の2選挙区で熱戦が続き、支持拡大へ各陣営は最後の訴えに力を注いでいる。
当選が決まった9選挙区の党派別内訳は、自民党17人、日本維新の会1人、立憲民主党1人、無所属1人。戦いが続く5選挙区には自民10人、公明党3人、維新3人、共産党5人、国民民主党1人、参政党1人、無所属6人(うち1人は自民推薦)が立候補している。
現有議席の維持を勝敗ラインとする政党が多い中、新人陣営からは「既存政党とは違う政治参加の選択肢を知ってほしい」などと、県の政治状況の変革を訴える声がある。
【和歌山市】
定数15を現職12人と新人6人が争う構図で、党派別は、自民5人、公明3人、維新3人、共産2人、国民1人、参政1人、無所属3人。
自民は現職6人のうち1人が引退し、後継は立てず、残る井出益弘(76)、新島雄(71)、山下直也(67)、尾﨑太郎(57)、森礼子(54)の5氏を公認。1人減による保守票の行方が注目される。
公明は現職3人のうち2人が党の規定により引退し、現職の岩井弘次(65)、新人の中尾友紀(62)、小川浩樹(56)の3氏が現有議席の維持を目指す。厚い支持基盤を持つ公明での現職から新人への交代は、選挙区の大勢に影響は少ないとの見方が強い。
維新は現職の林隆一(60)、新人の岡本年永(59)、浦平美博(51)の3氏が立候補。県全体の現有議席は現在1で、橋本市で新人が当選したため、和歌山市で1人以上当選すれば議席は増える。直近の国政選挙の比例区では、2回続けて県内第2党に躍進しており、県都で2議席以上を取れるかが焦点となる。
共産は現職の奥村規子氏(71)と、前回次点だった新人の松坂美知子氏(66)が立候補し、1議席増を目指す。
国民民主は浦口高典氏(68)が持つ県内唯一の議席維持を図り、参政党は初の議席獲得に向け、加藤充也氏(57)が昨夏の参院選和歌山選挙区に続いて出馬している。
無所属は、現職の長坂隆司(66)、藤本眞利子(69)、片桐章浩(61)のベテラン3氏で、基盤固めと支持拡大を図っている。
【紀の川市】
定数3(欠員1)を現職2人、新人2人が争う。
自民は現職の山田正彦氏(81)、紀の川市議から転じた新人の坂本佳隆氏(53)の2人が、前回獲得した2議席の維持を目指す。
共産は、無投票だった前回初めて獲得した杉山俊雄氏(72)の議席を死守できるかが焦点。元紀の川市議会議長の無所属新人、高田英亮氏(78)が初の議席をうかがう。