衆院和歌山1区補選告示 4人が立候補
衆議院和歌山1区補選が11日、告示され、4陣営が立候補を届け出た(午後3時現在)。5期連続で議席を維持していた岸本周平氏の知事転出に伴う選挙で、自民党が県内で唯一、衆参の議席を持っていない県都での勝利を目指す中、県内初議席を狙う日本維新の会が参戦し、共産党、政治家女子48党も候補を立て、4人が争う構図。統一地方選後半と同日の23日の投票日に向けて12日間の戦いが幕を開けた。
候補者は届け出順に、自民元職の門博文候補(57)、維新新人で元和歌山市議の林佑美候補(41)、共産新人で党県常任委員の国重秀明候補(62)、政治家女子新人で党職員の山本貴平候補(48)。
立候補の受け付けは県庁北別館2階で午前8時半から始まり、各候補は届け出を済ませると、駅前や幹線道路沿いなど人通りの多い場所で有権者への第一声を上げた。
次の衆院総選挙から県内の小選挙区は3から2に減少し、和歌山市のみを選挙区とする現在の1区で行う選挙は最後となる見込み。
門氏と岸本氏は1区で4度戦った間柄だが、昨年の知事選で自民の推薦を受けて当選した岸本氏は今回、自民公認の門氏を応援する立場となり、選挙区の情勢は大きく変化した。
維新は近年の国政選挙で党勢を拡大し、比例得票で自民に次ぐ県内2位。9日の統一地方選前半戦では、県と隣接する大阪府・市、奈良県の知事・市長選を制しており、和歌山でも勢いを広げられるかが鍵となる。
共産は、防衛費拡大に賛成する自民、維新を強く批判しており、どこまで存在感を示せるか。政治家女子は独自の戦いを展開する。
10日現在の和歌山市の選挙人名簿登録者数は30万4822人(男14万2761人、女16万2061人)で、前回衆院選(2021年10月18日)時に比べ1・17%減った。
上から届け出順
門 博文候補(57)
自元③=公推
ふるさとのために働く
1年半前の選挙で落選し、自分が生まれ、育ててくれたふるさと和歌山にできる限りの恩返しを、働きをさせていただきたい、そのことが私の政治の原点であったことに改めて気付かされた。にぎやかな、子どもの頃に胸をわくわくさせた、あの和歌山をもう一度取り戻したい。生まれて、育って、暮らして、みんなが幸せを感じる和歌山を取り戻してみたい。ふるさと和歌山のために、候補者の中で一番働くのは自分だとの気概と自信を持って訴えていく。もう一度チャンスを、力を与えていただきたい。必ず、和歌山のために立派に働ける政治家に戻ってみせる。
林 佑美候補(41)
維新
県が変わるチャンス
前例や慣例にとらわれた今までの政治を続けるのか、それとも時代に合わせた新しい政治に挑戦するのかを選択する選挙。大学院で研究した都市政策とまちづくりの結果を還元したい。和歌山の皆さまのお役に立ちたいとの強い思いで立候補した。政治を行う者こそクリーンで、自らに厳しい姿勢が必要。日本維新の会は企業、団体、組合などから一切献金を受け取らず活動をしており、しがらみがないため、誠実な政治が行える。昨年には新しい知事が誕生した。今こそ和歌山が変わるチャンス。県民一人ひとりの気持ちをしっかりと受け止め、誠実に国政へと届けていく。
国重 秀明候補(62)
共新
平和と暮らしを守る
大規模な軍事費拡大など、岸田内閣は憲法9条を投げ捨てるかのようだ。大軍拡の後押しをする維新にも議席を渡してはいけない。平和と暮らしを守るためにASEANと対話を重ね、紛争を戦争につなげない取り組みを東アジアに広げることが重要。また、三つの改革を提案する。最低賃金1500円への引き上げ。消費税を5%に減税。大学や専門学校の学費半額などを含めた、教育費や社会保障費などの、国民の負担軽減。和歌山の声、国民の声と共産党が合わされば、政治を前に進められる。平和と暮らしを守る願いを託してほしい。「戦争の準備ではなく、平和の準備を」。
山本 貴平候補(48)
女新
受信料の公平負担を
私は主たる業務として、党のコールセンターでNHKの放送受信料に関する相談などを受けているが、その対策が非常に大事だと思っている。長時間見る人、あまり見ない人も全く同じ料金を徴収されている。公平負担を強く働きかけていきたい。また、低所得者世帯の減免や免除、住民税非課税世帯、年金受給者世帯に対する完全無料化を訴えていく。政党名にあるように、20代、30代の若い女性の社会進出を特に重要な公約としている。政治に参加していただきたい。一緒に政治を変えていきましょう。衆議院選挙に勝って、補欠選挙に勝って、NHKをぶっ壊す。