件数は増、コロナ関連12件 22年度県内倒産
東京商工リサーチ和歌山支店がまとめた2022年度の和歌山県内倒産件数(負債額1000万円以上)は75件で、前年度より13件増えた一方、小規模企業の倒産が主体となったため、負債総額は46・80%減の63億1700万円だった。新型コロナウイルス関連倒産は12件あった。
倒産件数を産業別にみると、「サービス業他」が25件(前年比2件増)で全体の33・3%と最も多く、「建設業」が17件(同8件増)、「製造業」が14件(同7件増)と続いた。
原因別では、「販売不振」が最多の70件、「既往のシワ寄せ」が2件で、不況型倒産が全体の96%を占めた。この他、「その他(偶発的原因)」が3件だった。
形態別では、法的倒産の「破産」が63件で最も多く、「民事再生法」が10件で、法的倒産が97・3%を占めた。私的倒産は「銀行取引停止」の2件だった。
負債額は、「1000万円以上5000万円未満」の小口が51件(68%)と最多で、「5000万円以上1億円未満」が9件、「1億円以上5億円未満」が11件、「5億円以上10億円未満」が4件。主な倒産には、ゴルフ場経営の白浜開発㈱(白浜町、負債額9億5700万円)、ニットパーツ製造の吉田編織㈱(和歌山市、9億円)などがあった。
同支店は、今後の見通しについて、ウィズコロナでインバウンドを中心に個人消費が回復する一方、特に労働集約型のサービス業などでは人手不足を要因とする倒産が増加傾向になっていると分析。さらに、コロナ禍で身の丈以上の借入金を抱えた過剰債務の企業では新たな資金調達のハードルは高く、返済に詰まり、保証協会が代位弁済を行う件数は右肩上がりだと指摘している。
コロナ禍で企業を支えた各種施策はすでに終了し、新たに倒産抑制策が打ち出される気配は今のところなく、すでに明確な増加局面に入った企業倒産は、今後ピッチを加速していく可能性が高いとみている。