たま電車を植物で装飾 みどりの日限定運行

「みどりの日」の5月4日、和歌山市の伊太祁曽神社で木や自然に親しむイベント「みどりの風」(同実行委員会主催)が開かれる。特別企画として、和歌山電鐵貴志川線の「たま電車」内の一部を植物で装飾した「グリーンジャック号」が一日限定で運行。メンバーは「あっと驚くような空間になるはず。電車と植物がどう結び付くのか、楽しみにしてほしい」と呼びかけている。

木の神様を祭る同神社では、春や「みどりの日」に、木工教室や植物などをテーマにイベントを実施してきた。今回、音楽や食など、若者が発信するさまざまな文化を生かし、神社と地域に新たな価値や可能性、魅力を見いだす機会にしようと企画。

「自然に親しみながら、その恩恵に感謝する日に」と、飲食や物販、展示、音楽、ワークショップなど、幅広い世代が楽しめる多彩な内容で実施する。

実行委のメンバーは、同神社の禰宜・奥重貴さん(51)、木工職人の樫尾善成さん(41)の他、さまざまなイベントを企画し、地域の活性化に取り組む三木裕介さん(41)、中谷一陽さん(42)、辻岡大樹さん(35)。

たま電車内の装飾は、貴志川線の利用を促進し交流人口を増やそうと企画。紀の川市桃山町調月の「Rat Garden(ラットガーデン)」の大西清悟さん(36)が担当し、たま電車2両のうち1両を観葉植物で彩る。和歌山電鐵によると、車両に植物を飾る試みは初。

事前の打ち合わせでは、大西さんが実行委のメンバーと共に、車庫に入った車両内で、グリーンをどのように配置するか、入念にアイデアを練った。

オーストラリア原産の希少品種、ガイミアリリー(高さ約2㍍)を展示する予定。大西さんの知人で県内の生産者が咲かせたもので、日本で見られるのは珍しいという。大西さんは「和歌山でこんな花を咲かせられることを知ってもらいたい」と意気込み、「『やっぱり電車はいいなぁ、貴志川線っていいなぁ』、そう感じながら、この日一日、『みどりの気持ち』になってもらいたい」と話している。

たま電車の運行スケジュールは、和歌山電鐵や「みどりの風」ホームページで確認を。

車両内で装飾のイメージを膨らませる大西さん(中央)らメンバー

車両内で装飾のイメージを膨らませる大西さん(中央)らメンバー