痴漢・盗撮撲滅大使 ニタマが就任

痴漢・盗撮をなくそうと、和歌山県警本部人身安全対策課は24日、和歌山電鐵㈱社長代理で、貴志駅の駅長を務める三毛猫のニタマに「痴漢・盗撮撲滅大使」を委嘱。今後、駅舎での安全見守り活動や、イベントなどでの情報発信活動に協力するとし、同社の小嶋光信社長が「痴漢と盗撮を絶対に撲滅するニャー」というニタマの意気込みを代弁した。

同課によると、昨年中の県内における痴漢の検挙数は18件(前年比10件増)。うち電車内や駅構内などの鉄道関連は3件だった。盗撮の検挙数は40件(同)で、うち5件が鉄道関連。痴漢・盗撮ともに前年より10件ずつ増えている。

また、ことし3月には、政府が痴漢対策への施策を取りまとめた「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」を公表。全国的にも痴漢対策を強化している背景などから、県警は同社のマスコットキャラクターとして著名なニタマへの大使委嘱を決めた。任期は2年間。

同日、貴志川線が発着するJR和歌山駅の9番ホームで委嘱式が行われ、県警のマスコットキャラクター「きしゅう君」も見守る中、同課の西田文貴課長が小嶋社長に委嘱状を、ニタマに「痴漢・盗撮撲滅大使」と書かれたチャームを贈った。

西田課長は「痴漢・盗撮は被害に遭った時の恐怖はもちろん、被害後に電車に乗れなくなるなど心理的にも卑劣かつ重大な犯罪。世界的に有名なニタマ駅長に大使として、一緒に痴漢・盗撮を許さない社会づくりに協力をいただきたい」とあいさつ。

小嶋社長は「安心して楽しく乗っていただくためにも、心して努力していきたい」と話し、「ニタマは『大役をいただいて身の引き締まる思いニャン。撲滅に向けて頑張るニャオー』と張り切っています」と代弁した。

式後は駅前で啓発活動が行われ、同社や県警、西日本旅客鉄道㈱、宝塚医療大学(同市中之島)の学生ボランティアら約20人が参加。駅の利用者らにチラシやポケットティッシュを配布しながら、痴漢や盗撮被害防止を呼びかけた。

同大3年の田尻愛琉(あいる)さん(20)は普段から電車を利用しているといい、「被害に遭ったことや聞いたことはないけれど、実際にあると思ったら怖い。被害がゼロになったらいいな」と話していた。

 

委嘱状を手に小嶋社長とニタマ