トルコへ移動式住居を 和大の秋山教授ら

2月に地震が発生したトルコの復興を支援しようと、「日蒙協力トルコ被災地生活再建プロジェクト」が進行中。モンゴルの民間宇宙機関MARSAの主席技術者で建築家のセレオド・ガンオドさんや、和歌山大学の秋山演亮(ひろあき)教授ら計5人が参加している。

セレオドさんは日本で約9年間過ごし、2011年には当時勤めていた日本の企業で、東日本大震災の復興支援に関わった。その際、モンゴルの移動式住居のゲルが震災時に役立つと感じたという。

トルコ・シリア地震発生の約1カ月後、「困っている人に対して、自分は何ができるかを常に考えていた」というセレオドさんは、MARSAの活動などで親交のある秋山教授らとプロジェクトを始動させた。

セレオドさんから「宇宙で協力している仲間。地上でも助け合っていこう」との連絡を受けた秋山教授は、クラウドファンディングなどで資金を調達。セレオドさんらは、3月に被害を受けたアンタキヤを訪問し、学びの場や更衣空間の確保などが重要であることを痛感したという。セレオドさん設計のもと、モンゴルでゲル10棟を製造し、トルコに送った。

また、日本の避難キャンプ運営マニュアルを著作権フリーでオンライン公開しようと、準備を進めている。同大学のトルコ人留学生や、防災サークルむすぼら所属の学生らが、トルコ語などへの翻訳を行っている。

24日にはセレオドさんが同大学を訪ね、秋山教授らと共に、学生らにプロジェクトの進捗(しんちょく)などを報告した。秋山教授は「和歌山とトルコは友好関係にあり、興味のある人が多いと思う。学生ももっと入ってきて」などと呼びかけた。

報告会に参加した経済学部1回生の辻健吾さん(19)は、「トルコのためになれるなら、やれることから積極的にしていきたい」と意欲的。同じく経済学部1回生の本村雄我さん(18)は、「トルコ地震のことは少しだけ知っていたが、実際の様子を写真や言葉で実感できた」と話した。

クラウドファンディングは、「GoodMorning」で現在も継続して実施されている。

プロジェクトを進める秋山教授㊧とセレオドさん

プロジェクトを進める秋山教授㊧とセレオドさん