西さんら県大会へ 海草地方少年メッセージ

中学生が、日々感じていることや考えていることをテーマに発表する「少年メッセージ2023」の海草地方大会が17日、海南市民交流センター(下津町下津)で開かれ、優秀賞4人、奨励賞5人が選ばれた。

海草地方青少年育成推進員等連絡協議会(辻敏弘会長)主催。優秀賞の4人は7月29日に紀美野町で開かれる県大会に出場する。

同大会は中学生が「今、何を考え、どう生きようとしているのか」などを発表し、青少年に対する正しい理解と信頼を深め、若い世代の健全な育成を図る。

代表に選ばれた同市と紀美野町内9校の生徒9人が、家族や社会、学校生活などについて考えたことを発表した。

テーマはさまざまで、優秀賞に選ばれた同町立美里中学校2年の西智弘さんは「『心の家』をつくりたい」と題して発表した。

西さんは父親の仕事の都合で、これまでに転校を5回繰り返し、いつのまにか心に鍵をかけてしまったという。

笑わなくなり、誰とも話すことなく顔を上げて歩かなくなった。淡々と過ぎる毎日の中で、人は誰にも相手にされず必要とされないことが一番苦しいのだと気が付いた。

それを転校のせいにしていたが、「自分が変わらないと人は変わらないよ」との母の言葉を受け、西さんは一歩踏み出すことができ、「今の僕は一言でいうと良い感じです」と、笑顔で伝えた。

海草地方中学校校長会の北東謙治会長は「ご両親は西さんの心の負担を十分理解して見守ってくれていました。今現在、良い感じでいられることをご両親はさぞ喜ばれたことでしょう」と講評した。西さんは「緊張したけど思っていることを伝えることができた。県大会では、きょう以上に意気込んで大きい声で頑張りたい」と話した。

参加者は次の皆さん。

【優秀賞】西智弘(美里中2年)、中西朝香(下津第一中2年)、穗谷早輝(野上中3年)、髙田智大(東海南中3年)

【奨励賞】山本菜乃葉(第三中学3年)、湯川愛子(海南中3年)、土田真央(亀川中3年)、柳本彩智(巽中3年)、大谷穂乃実(下津第二中3年)

表彰を受ける生徒たち

表彰を受ける生徒たち