楽しい書道で笑顔に 田中太山さんが教室

太地町出身で、米ニューヨークを拠点に活動する書画家の田中太山(たいさん)さん(45)が3日、和歌山大学付属小学校(和歌山市吹上)を訪問。約8年ぶりの国内でのイベントとして、大作書道パフォーマンスを含めた書道教室を開き、児童らに書道の楽しさやポジティブに楽しく過ごすことの大切さなどを伝えた。

書道教室は2学年ごとに体育館に集まり、計3回にわたって開かれた。まず集まった1、2年生約150人と保護者らを前に、田中さんは両学年のテーマを「笑顔」と伝え、馬毛を使った大きな筆に墨をつけ、長さ3・6㍍、幅0・96㍍の障子紙に大胆かつ力強く「笑」の文字を書いていった。

紙から大きくはみ出す田中さんのダイナミックなパフォーマンスに、児童らは身を乗り出して歓声を上げた。田中さんは「はみ出してもいいよ。紙の上に書くって決めたわけじゃないからね」と話し、片手で筆2本を同時に使う技なども見せながら「笑顔あふれてたのしいまいにちを」と書いた大作を完成させた。

その後、児童らは筆を使って自由に書道を体験。田中さんは「答えはないよ。あなたたちが今書きたいことを書けばいいよ。きょうはやっちゃいけないことはないよ」と声をかけ、児童らの作品を見ながら「バランスいいね。すてき」「(字が)薄くなっていっているのがいい。生きている感じがする」などとポジティブな言葉で作品を褒めたたえた。

1年生の小笠原慶さん(6)は初めての書道体験に「楽しい。もっとしたい」とにっこり。阪井環太さん(6)も「自由にかけて楽しかった。太山先生のパフォーマンスがすごかった」と目を輝かせていた。

田中さんは最後に「楽しいことをすると笑顔になる。楽しいことを続けていくといろんな幸せが入ってくるよ」と伝え、「プラス思考で諦めず、楽しむことが人生の生き方」とほほ笑んだ。

ダイナミックに「笑」の字を書く田中さん

ダイナミックに「笑」の字を書く田中さん