浴衣で花火に行こう 和大付中で着付け体験

日本伝統の着物の文化を若い世代にも知ってもらおうと、きもの文化普及協会(植野千惠子会長)は、和歌山市吹上の和歌山大学付属中学校(南正樹校長)で浴衣の着付け教室を開き、2年生の4クラス140人がサポートを受けながら夏の装いを楽しんだ。

同中学校では2017年から浴衣の着付けの授業が行われており、今回で5回目。家庭科の被服の授業の一環で、ことしは夏祭りなどで実際に浴衣を着てもらえるようにと、この時期に授業を実施。色とりどりの浴衣が生徒の人数分用意され、生徒たちは好みの色や柄の浴衣を手に取った。

同協会の講師は、浴衣の着付けに始まり、浴衣を着たときの座り方やおじぎの仕方などの所作、浴衣の畳み方を指導。初めて浴衣を身に着けるという生徒がほとんどで、とまどいながらも懸命に教わり、うまく着られるようにと真剣に取り組んでいた。

男子に比べて女子の着付けの方が若干工程が多く、浴衣の丈を腰の辺りで合わせる「おはしょり」を整えることなどで少し時間がかかったが、着付けが完了すると女子は、「すごくかわいいね」と生徒同士でタブレット端末を使って記念撮影をしていた。

授業を受けた小北義裕さんは「難しかったけどすごく楽しかった。港まつりに友達と行くときに浴衣を着ていきたい」と笑顔。田中蓮菜さんは「浴衣って見た目は涼しいのかなと思ったけど着てみると意外と暑かったです。でもかわいかったのでまた着てみたいです」と話した。

同協会は昨年10月、着物を楽しむ着物愛好家や、着付け教室を行っていた着付けの指導者が集まり、日本伝統の着物文化を普及させようと、和歌山市で発足した。会員は県内在住の12人。市内の小中学校で浴衣の着付け教室を開いたり、小学校の土曜教室では親子に浴衣の着付けを教えたりしている。

植野千惠子会長は、「皆さんのすてきな浴衣姿を見ることができて良かったです。今回の授業をきっかけにぜひ進んで浴衣や着物を着てほしいと思います。一度だけでなく、着る回数を重ねるほど着物の良さが分かります。浴衣を着て手を横に広げると袖口から風が入り、脇の下に風が通って熱中症にもなりにくく、健康にも良いですよ」と話していた。

同協会事務局の矢須美香さんは、「子どもたちには、着物や浴衣に触れることで日本の和の文化に興味を持ってもらい、普段から着物を着るという選択肢を増やしてもらえれば」と話していた。

 

浴衣を着付けてもらう生徒