井上奈音さんバイオリンで4位 万里の長城杯
和歌山大学付属小学校6年生の井上奈音さん(11)が、兵庫県で開かれた「第25回万里の長城杯国際音楽コンクール」(中国音楽理事会主催)弦楽器部門小学校の部C(5、6年生)で4位に入賞。先月末に大阪府豊中市のローズ文化ホールで開かれた入賞者披露演奏会で、ブラームスのハンガリー舞曲第2番を演奏し、井上さんは「楽しんで演奏することができました」と笑顔で話している。
万里の長城杯国際音楽コンクールは、小学生から一般を対象にしたコンクール。井上さんは予選・本選で、メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲を演奏した。
井上さんは4歳でピアノとバイオリンを始め、和歌山市のムジカヴァーティカルヴァイオリン音楽教室の南部紗奏乎さんの指導のもと、練習を重ねてきた。両方の楽器のコンクールにも多数出場し入賞を重ねてきた。
南部さんは「習い始めの小さな頃から耳が大変良くてテレビなどでよく耳にする曲のフレーズなどはピアノで再現することができ、楽譜がまだ読めない頃から、教えた曲はすぐに弾くことができた」と井上さんの音楽的な能力を高く評価する。
両方の楽器を演奏する中で「どちらか一方の腕を磨き、極めていこう」という南部さんのアドバイスと、井上さんの選択により、5年生からバイオリンの演奏に力を注いでいくことになった。「バイオリンは弓で音の強弱を自由に変えられるところが好きです。表現力の幅を広げることができました」と井上さん。
普段はバイオリンの他に、バレエ、英語、塾の習い事に通う多忙な生活を送っている。バイオリンの練習は早起きして学校に行く前に行うという。
毎週土曜日には、大阪府の相愛大学で行われている相愛ジュニアオーケストラのレッスンにも通う。オーディションに合格し、小学4年生の時から参加している。「オーケストラの大きな音に包まれて感動します。同じ楽器を弾く同年代の友達とも話すことができるので、とても楽しいです」と笑顔で話す。
8月には、全日本ジュニアクラシック音楽コンクール本選、長江杯国際音楽コンクール本選、べーテン音楽コンクール予選に出場する。現在はコンクールに向け、メンデルスゾーンバイオリン協奏曲を練習中。「長い曲だけど壮大でいろんな場面が展開されていてすてきな曲です」と話す。
最近困っていることは、現在使用している4分の3サイズのバイオリンを4分の4サイズの大人用に買い替えるタイミング。コンクールの出場が続いているので良いタイミングを見つけるのが難しいという。
尊敬するアーティストは葉加瀬太郎さん。将来なりたい職業については「救急救命医。救急の患者を救う医師の仕事で人の役に立ちたいからです」と話している。
南部さんは「道を決めるのは奈音さん自身。将来を決める時が来たら音楽という道も選ぶことができるように、さらにバイオリンの演奏の力を引き上げて伸ばしてあげたい」と話している。