ワーケーション促進へ 県と釜山広域市が覚書

和歌山県と韓国・釜山広域市は5日、ワーケーションの普及と促進に向けた覚書を締結した。県庁正庁で調印式が行われ、両県市は、ワーケーションを社会に根付かせていく取り組みで協力する他、広く文化、観光、産業などの連携を深めていくことを確認した。

県は2017年度から全国の自治体に先駆けてワーケーションを推進してきた先進県。釜山広域市は韓国第2の都市、最大の貿易都市であり、約340万人の人口を擁し、テレワークや在宅勤務が定着する中で、働き方改革や福利厚生の一環として、ワーケーションの推進に力を入れている。

両県市の類似した政策と地理的な近さに着目した駐大阪韓国総領事館の提案をきっかけに、今回の覚書が実現した。

調印式では、県の下宏副知事、釜山広域市の安炳玧(アン・ビョンユン)行政副市長が覚書に署名し、岸本周平知事、金亨駿(キム・ヒョンジュン)駐大阪韓国総領事が立会人となった。

岸本知事は「覚書の締結をうれしく思う。文化、ビジネス、青少年交流なども盛んになることを願っている」とあいさつ。県のワーケーションの中心である白浜町の南紀白浜空港への、釜山からのチャーター便就航などにも期待を寄せた。

安副市長は「ワーケーションは地方都市が発展に向けて取り組むことができる新しいアジェンダだ」とし、覚書について「文化、観光、産業などで良い結果を出せるスタート地点に立っている」と歓迎。金総領事は「よりグレードアップした日韓関係をつくっていく時であり、民間レベルの交流も活性化させたい」と話した。

調印式に出席した(左から)金総領事、安副市長、下副知事、岸本知事

調印式に出席した(左から)金総領事、安副市長、下副知事、岸本知事