国際ロマンス詐欺防ぐ 紀陽銀行2人に感謝状
国際ロマンス詐欺被害を未然に防いだとして、岩出署は9月28日、紀陽銀行粉河支店(和歌山県紀の川市粉河)の河合耕司支店長(51)と行員の野口有美さん(47)に感謝状を贈った。
同所によると8月28日午前11時ごろ、野口さんが窓口業務をしていると、60代男性が約30万円の振り込みを依頼。野口さんが振り込み目的を尋ねるも、男性は明確には答えられなかった。さらに、振り込み先の記されたLINEを確認すると、英文でのやり取りであり、東南アジア系名義の日本の口座などであったことから、野口さんは詐欺を疑い、河合支店長に相談した。
河合支店長がより詳しく尋ねたところ、振り込み先の人物はSNSを通して知り合った、会ったことのないアメリカ国籍の女性医師で、シリアに勤務していて、日本に帰るための渡航費用として振り込むなどいったことが判明した。
河合支店長は男性に対して、国際ロマンス詐欺の可能性を伝えて振り込みを断念させ、警察に連絡。駆け付けた警察官2人が男性を説得したという。
贈呈式で岡田謙吾署長は、「平素からのお二人の学びの成果であり、お客さまの大切な財産を守るという、銀行員としての誇りと使命感のたまもの」と感謝。
野口さんは感謝状を受け取り、「本当に光栄」と話し、「今後もアンテナを張って、意識を高く持っていきたい」と気を引き締めた。河合支店長は「これを機に、さらに未然に防止していきたい」と話した。
同支店では朝礼時などで、詐欺に関する事例の共有などを積極的に行っているという。昨年の国際ロマンス詐欺被害は、県下で8件、被害額は4175万3473円、同署管内で1件、被害額は358万1184円。