活動35年、最後の写真展 フォトクラブ21
写真愛好家グループ「フォトクラブ21」の最後となる第34回作品展が26日まで、和歌山市宇須のギャラリー花畑で開かれている。35年前の発足以来、国内の四季折々の美しい自然風景を撮影してきた。同クラブ代表の高瀬捷一さん(80)は「見たことのない美しい風景に出合うため、日本じゅう走り回って撮影してきました。区切りをつけるのは断腸の思いですが、皆さんに自然風景の素晴らしさを感じてもらえれば」と話している。
「美しいものを、より美しく撮る」を理念に、前身となる「アーツ」が同市で発足。平成21年に現在の名称に変更した。多い時で10人の会員がおり、コロナ禍での1度の中止を除き、毎年作品展を開催。会期中の来場者が1200人を超えたこともあった。
同クラブによると、風景写真は、何度も現場に足を運び、季節や時間帯、天気や光の具合などを踏まえ、一瞬の輝きを求めて撮影するため、根気強さや体力が求められる。会員が高齢化し、現場に足を運ぶのも大変になってきたことから、今展をもってクラブの活動に幕を下ろすことを決めた。
最後となる展覧会では平均年齢75歳、写真歴40~60年の熟練の会員7人が撮影した48枚を展示。会場には、富士山の頂上に太陽が昇り、まるでダイヤモンドのように映る瞬間の写真や、激しく水しぶきを上げる幻想的な古座川町の黒岩滝、不思議な形の雲が流れる河西公園など、それぞれの会員が美しい一瞬を求めて撮影した力作が並ぶ。
前田昌彦さん(71)は「風で揺れる木、雲の間から刺す光、飛び跳ねる水しぶき。ほんの一瞬しか来ない最高の瞬間にシャッターを切るのが風景写真の醍醐味(だいごみ)。同じ場所に何十回も通い、何十年もかけて撮影した力作をじっくり見てほしい」と話している。
午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。問い合わせは同ギャラリー(℡073・435・3615)。
出品者は次の皆さん。
東春美▽木下照雄▽高瀬捷一▽谷澤美津子▽廣本進▽前田昌彦▽山本澄晴