一針に心込め 矢宮神社で手作りお守り授与

和歌山市のビーズスパンコール刺しゅう作家・豊田容子さん(45)が来年の干支(えと)の「辰」(たつ)にちなんだお守りを制作。同市関戸の矢宮神社(矢田部弘州宮司)で、元日の午前9時から授与される。

直径6・5㌢の丸形。光る金の竜が銀の玉を抱えている。一年を元気で幸せに過ごしてほしいとの願いを込めた。豊田さんは7年前からビーズを使った創作活動を始め、刺しゅうやスパンコールなどを取り入れた独自のスタイルで作品づくりをし、イベントや百貨店などで手作り市に出店。教室も開いている。

豊田さんが祖父の代から同神社の氏子だったことから、偶然作品を見た矢田部宮司から「竜は作れないか?」と聞かれ、お守りが誕生した。同神社には、導きの神といわれ日本神話に登場する三本足の八咫烏(やたがらす)が祭られていることから、八咫烏をモチーフにしたお守りも作った。

竜と八咫烏は、生地を一つひとつはさみで形に切ってスパンコールやビーズを付けている。竜が抱える玉は丸みを出すため、中に綿を入れた。一針ずつ手縫いし、1個を作るのに約4時間かかったという。約3カ月かけて竜50個、八咫烏15個を制作した。豊田さんは今回のように同じものを作るのは初めてだそうで「できる限りハンドメードらしく一つひとつが違う顔、形になるよう作った。お守りを作れて光栄。手に取ってくれた人に笑顔になってほしい」と話している。

竜は2000円、八咫烏は1500円。

問い合わせは同神社(℡073・444・0668)。

手作りした竜と八咫烏のお守りを手に豊田さん

手作りした竜と八咫烏のお守りを手に豊田さん