感謝の思いで熱唱 TOMPEIさん介護施設で
和歌山県紀の川市の歌手、TOMPEI(トンペイ)さん(65)は、和歌山市中之島の介護施設在宅ケアセンターしあわせデイサービスでボランティアライブを開催。歌謡曲など全10曲を披露し、施設の利用者や職員40人が楽しいひとときを過ごした。
TOMPEIさんは、長年の地元での精力的な音楽活動、県の音楽文化の振興に尽力した功績が認められ、2022年度の県文化功労賞を受けている。「ふるさとや、和歌山に住む皆さんに感謝の気持ちを込めて何かお礼がしたい」と思い、ことし3月からボランティアのライブ活動をスタート。県内の介護施設を中心に30カ所で演奏活動を重ねてきた。
この日は、藤山一郎、奈良光枝の「青い山脈」、舟木一夫の「高校三年生」、美空ひばりの「真赤な太陽」などを熱唱。利用者は、「いい声やな」などと耳を傾け、なじみのある懐かしい曲を一緒に口ずさみ、手拍子をしながら聴き入った。
最後の曲と伝えらえた9曲目を歌い終えると「アンコール!アンコール」と、掛け声と手拍子が。TOMPEIさんはリクエストに応じて、「きよしのズンドコ節」を披露。リズムに合わせ「ズンズンズンズンドコ!トンペイ!」とみんなで声を合わせて盛り上がった。最後に、職員から記念の花束が贈られた。
82歳の女性は「知ってる曲を歌ってくれて一緒に歌えたのが良かった」、91歳の女性は「懐かしい曲を歌ってくれて楽しい時間を過ごせた」と笑顔だった。
TOMPEIさんは介護施設でのライブ活動を通じ、「音楽の力、歌の力ってやっぱりすごいなってあらためて思った。歌うと皆さんが笑顔で元気になっていくなと感じます。その姿に僕も感動し元気を頂いています」と話す。
ライブ活動を行うにあたり、ボランティアで1人で行っているため音響の問題もあったという。TOMPEIさんの相談に、すぐに「協力したい」と引き受けたのは、カラオケ総合商社㈱ミニジューク関西(本社和歌山市中筋日延)。毎回、カラオケの機材を貸し出し、会場の施設に運び込みをし、ライブを支えてきた。
介護施設へのボランティアの演奏活動は、22日を最後に一旦終了。来年に向けては「ことしの経験を生かし、2024年はさらに『歌で和歌山を元気に』を合言葉に頑張っていきたい。そして、いくつになっても、元気にずっと歌い続けたいね」と笑顔で話していた。