石川県輪島市へ救護班 日赤の医師や看護師

能登半島地震の救護支援のため、日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通)の医師、看護師ら7人が石川県輪島市に派遣されることになり9日、同センターを出発した。同市の避難所や救護所での救護活動や、在宅被災者への巡回診療に必要な調査と診療を行う予定。日程は現地活動と移動日の計5日間で13日に戻る。

救護班は医師1人、看護師4人、薬剤師1人、ロジスティックス(事務調整員)1人。移動の救急車両2台には救護班医療資機材セットや救護班医薬品セット、新型コロナウイルス&インフルエンザ検査キットなどの感染対策用品、衛星電話などが積み込まれた。

出発式で同センターの山下幸孝院長が「現地ではさまざまな病気、特に感染症が出てきている。さらに地震も続いているので、身の安全をしっかり守りながら頑張ってもらいたい」と激励した。

国内はもとより、バングラデシュやパレスチナなど海外でも医療派遣の経験があり、今回チームリーダーを務める同センター救急科・集中治療部副部長の益田充医師(48)は、「状況が依然不明で、私たちが想定している発災から8日目の状況ではなく、2、3日目の状況に近いと言われている。できる範囲で救護支援をしながら、孤立感を強めている現地の方々に、つながっていますという気持ち、思いを届けたい」と話した。

同センター医療社会事業部社会課長の小谷廣信さんによると、被災地では救護の届いていない孤立した避難所が数多く点在し、新型コロナやノロウイルスなどの感染症が出てきているという。地震によるけが以外にも糖尿病や循環器系の慢性疾患や投薬、精神的ケアが新たな課題という。今回の1次派遣に続き、今後2次、3次派遣も予定されている。

意気込みを述べる派遣チーム

意気込みを述べる派遣チーム