書かずに証明書発行 紀の川市が新サービス
紀の川市は、市役所窓口での利便性の向上や、職員の業務効率化を図ろうと、市民からの聞き取りと署名のみで住民票や戸籍、印鑑証明、税証明などを発行できる「書かない窓口」の運用を始めた。
デジタル庁が提供するサービス(自治体窓口DXSaaS)を用いて同サービスを運用するのは、全国で初という。
市役所の手続きは紙の処理が多く、市民が書類を書く負担が大きいだけでなく、職員の入力の手間が大きいことも課題だった。
同サービスにより、市民は手続きに必要な書類に記入する必要がなくなる。窓口で用件を伝え、マイナンバーカードなどの本人確認書類を提出し、申請書に署名して料金を支払うだけで、各種証明書を発行できる。従来通り、書類を記入して発行することも可能だが、同市は今後、同制度のみへの移行を図る。
本庁の市民課や国保年金課、こども課など10課と、市内5カ所の支所と出張所で運用を始め、住民票の発行など45種類の手続きで可能。2月6日からは、転入出、転居、結婚、出産などの238種類の手続きにおいても、同制度を導入する。今後は、転入出や結婚時などに伴う各種手続きを、一つの窓口で行うことができるように目指す。
導入に当たり、岸本健市長が住民票の発行を体験。岸本市長は、「書く手間が省けて良い。わずらわしさがなく、すごく便利で驚いている」と話し、「書かないことで職員の業務の効率化にもなると思う」と期待した。
企画部企画経営課デジタル推進室の岩橋千明室長(52)は、「市民の負担や手続き時間の短縮に向けて、さらなるサービスの向上を目指したい」と話した。