自動運転の実証運行へ 2月に和歌山市

和歌山市は26日、市中心部のメインストリート「けやき大通り」で2月14~18日の5日間、自動運転バスの実証運行を行うと発表した。路線バスの運転手不足、観光の移動手段確保などの課題に対応する取り組みで、今回はドライバーが運転を支援するレベル2で運行する。尾花正啓市長は、大阪・関西万博が開かれる2025年度には、特定条件化でシステムが自動運転を行うレベル4を目指すとしている。

今回の実証運行は、JR和歌山駅前から和歌山城公園駐車場までの約2㌔の片道運行で、途中、三木町新通りでの降車も可能。現在製作中の3Dデジタルマップを基に、ハンドルやアクセルを自動で操作し、ドライバーが必要に応じて支援する。運行速度は20~30㌔程度。

運賃は無料で、乗車人数は、1回の運行につき事前予約制の座席が10人、当日乗車可能な立ち席が10人程度まで。予約は29日から市ホームページで受け付ける。

運行ダイヤは日によって異なり、朝夕の通勤・帰宅ラッシュの時間帯を除く午前10時~午後9時台に設定。週末の金・土曜に当たる2月16、17日は、「けやきライトパレード」が実施される夜間も運行する。

運行事業者は、群馬大学発のベンチャー企業、日本モビリティ㈱。自動運転について70件以上の実証実験の実績があり、位置測定や障害物認識などのためのレーザーセンサー、信号認識などのためのカメラを備えたバスを保有している。

今回の実証運行では、センサー機能やデジタルマップの確認などを行う予定。市は、24年度には期間を長くして再度実証運行を実施し、時間帯や曜日、天候による利用状況の違いなども含む詳細なデータの取得、デジタルマップの精度向上などを図り、25年度にはレベル4での運行実現を目指す。

尾花市長は「運転手不足の問題に備えることと、できるだけ多くの観光客にも乗っていただく、観光的な要素も含んだ実証運行となる」とし、「中心市街地での実証は全国的にも珍しい。和歌山市でしっかりやっていきたい」と述べた。

自動運転バスの実証運行を発表する尾花市長

自動運転バスの実証運行を発表する尾花市長