ひな人形「さぁ出番」 温山荘園で展示

ことしで10年目を迎える、大正後期や昭和の年代のひな人形が並ぶ「温山荘の雛まつり」が10日、和歌山県海南市船尾の琴ノ浦温山荘園で始まった。3月31日まで。

「さあ仕事だよ」と、同園臨時スタッフの楠本智子さんは、にこやかに話しかけながら1体ずつひな人形を飾った。「おひなさまは、皆さんに見てもらうことで表情も豊かになる。ぜひ会いに来てください」と呼びかけている。

ひな人形は、約10年前に市内で開かれたイベント「紀州海南ひなめぐり」で飾られていたものや、旧家から預かった人形、借りたものなど。園内の主屋と浜座敷、ダンスホールに460点以上を楠本さんが飾った。

大正後期や昭和初期から後期の時代のひな人形を見ることができ、表情や髪型、肌質、着物など年代で異なる特徴が楽しめる。

昭和初期は、顔の輪郭が面長で卵型をしている。目も細く陶器のような艶やかな肌が魅力。中期や後期になると、肌質はマットに、目も少し大きくなりにこやかな表情も見られる。

衣装も帯の生地からちりめんに変わり、御殿飾りから、7段、3段と飾り方の変化も分かる。

他にも、角度によって笑顔に見えるおひなさまや、木目込み人形、つるしびななど、年代を感じるひな人形が楽しめる。

楠本さんは「見比べて好きなおひなさんを見つけ、一緒に写真を撮ってもらえたら」と話している。

午前9時~午後4時。休園日は月曜。3月23、24日は主屋の見学はできない。

また、3月3日午前10時~午後3時は手作り市やカフェが楽しめるイベント「ひいなあそび」も開催する。問い合わせは同園(℡073・482・0201)。

浜座敷の7段飾り

浜座敷の7段飾り