冷水投手と澤選手 耐久からセンバツ出場
いよいよ18日に阪神甲子園球場で開幕する「第96回選抜高校野球大会」。和歌山県内からは耐久(湯浅町)と田辺(田辺市)が選ばれ、海南市出身の2年生、冷水孝輔投手(17)と澤剣太郎選手(17)が耐久から出場する。同校野球部は1905年の創部以来、春夏通して初の甲子園。8強入りを目指しており、エースの冷水投手、3番遊撃手の澤選手の活躍に期待がかかる。
冷水投手は加茂川小学校出身。加茂仲良しクラブで1年生から野球を始め、下津第二中学時代は有田リトルシニアでプレーした。中学までは捕手と投手を両立していたが、高校1年生からは投手に専念。現在は最速142㌔の力強い速球を武器にスライダー、カットボール、ツーシームも操る。
冷水投手は甲子園で、制球に重点を置いた投球を心がけるとし、「目標のベスト8に向けて、気負うことなく一戦必勝で挑みたい。自分のできるベストなピッチングでチームに貢献したい」と意気込んでいる。
澤選手は亀川小学校出身。亀川少年野球団で1年生から野球を始めた。亀川中学時代には和歌山有田ボーイズに所属した。球際の強さや強肩を武器とする守備とコースに逆らわない広角な打撃でチームを引っ張る。センバツに向けては打撃の調子を向上させたいといい、実戦を意識して打撃練習に励んでいる。
澤選手は、昨秋の近畿大会準決勝の京都外大西戦で、1点を追いかける8回表、2死三塁の好機で左飛と凡退した。以降はより積極的に、全体練習の後や早朝の自主練習に取り組んでいる。
澤選手は「エラーや三振を恐れず、思い切って悔いのないようにプレーする。緊張を楽しみ、チャンスで1本打てるようなバッティングをしたい」と話している。
小学校からの友人同士 井原監督も全幅の信頼
2人は小学校からの友人。現在は登下校や定期試験勉強など、練習外の時間も共にしている。
冷水投手は澤選手について「守備、打撃ともに頼りにしている。友達としても昔から知っている安心感がある。口数は多くないが、大事な場面で声をかけてくれるのが心強い」と話す。
一方の澤選手は冷水選手に対し「普段は気の優しい友人だが、マウンドに立てば闘争心が強く、良い意味で人が変わる。力強い真っすぐ(直球)は、守っていて安心感がある」と信頼している。
井原正善監督(40)は冷水投手について「かなり高いレベルの制球力がある。メンタルが強く、どんな相手にも自分の投球を発揮できる」、澤選手については「チーム一の野球センスを持っている。守備の細かい動きができ、送球も安定している。(打撃面では)選球眼が良く、出塁率が高い。コースに逆らわない打撃もできる。攻守でチームを引っ張っている」と太鼓判を押す。
井原監督はセンバツに向けて「背伸びせず、自分たちの野球を100%出せるように集中したい。最少失点で粘り強く、足も絡めて相手のミスも生かし、ロースコアで締まった試合をしたい」と話し、「初出場らしくチャレンジャーの気持ちを持って思い切り挑みたい。自分たちの良い部分を出せるように一戦必勝で挑む」と意気込んでいる。
耐久は大会3日目(20日)の第3試合で中央学院(千葉)と対戦、田辺は大会初日第2試合で星稜(石川)と対戦の予定。