ジャズドラマー瀧さん 秋満さん迎えコンサート

和歌山市のジャズドラマー、瀧益生さん(80)らによるディナーコンサートが4月7日午後6時から、同市七番丁のモンティグレ(ダイワロイネットホテル和歌山)4階で開かれる。「スイングジャズの王様」ともいわれるジャズピアニストの秋満義孝さん(94)を迎える。瀧さんは「年齢を重ね、今回のような形式のコンサートは最後になるかもしれない。お客さんの喜ぶ顔を見るため、精いっぱいのステージを届けたい」と意気込んでいる。

大阪出身で、父はバンドマン、母は歌手という家庭で育った。ベニー・グッドマン楽団が演奏する「シング・シング・シング」に心躍らせ、映画『嵐を呼ぶ男』でドラムをたたく石原裕次郎に憧れた。14歳でドラムを始め、現在も大阪に現存するキャバレー「ミス大阪」からスタートし、17歳でプロデビュー。1969年には、榎谷おさむとシャイアン・エコーズの一員として、東芝レコードから和歌山弁を題材にしたコミカルな「アカナイショ」を発売した。

キャンペーンで訪れた和歌山市に愛着を感じ、その後、移り住んだ。世界リゾート博を前に「瀧益生&グッドマン」を結成。和歌山ジャズフェスティバル、和歌の浦スチューデントジャズの企画をはじめ、後進の育成にも力を入れ、音楽でまちを盛り上げてきた。

この数年の間には大腸がん、食道がんを患い、体力の限界を感じることもあるが、応援してくれる人たちの声を受けて奮起。「今持っている力をフルに使って、自分が知っている音楽をみんなに聴いてもらいたい」と情熱は衰えない。

秋満さんとは30年以上にわたって交流があり、共演は昨年の6月以来。前回のコンサートの後、しばらくして秋満さんから瀧さんのもとに「メンバーはそろったか」と電話があったという。「秋満さんに出会って僕の人生は変わった。ジャズは決して難しいものでなく、ジャズ音楽とはどういうものかを教わった。偉大な人に声をかけてもらえて幸せ」と瀧さんは話す。

これまでにも阪神淡路大震災や東日本大震災の被災地へ出向き、継続した支援をしてきた瀧さん。今回も会場に募金箱を設け、能登半島地震への支援を呼びかける。

瀧さん率いる「グッドマン」のメンバーらが出演。映画音楽の名曲をはじめ、ラテンやジャズを演奏する。予定曲は「その名はフジヤマ」「ムーンライトセレナーデ」「シェルブールの雨傘」など十数曲。司会は永年の友人であるフリーアナウンサーの小林睦郎さんが務める。

チケットはディナー付きで1万円。問い合わせなどは瀧音楽事務所(℡090・8201・8969)。

ジャズドラマーの瀧さん

ジャズドラマーの瀧さん