海南市初の女性消防団員 14人に辞令

全国的に消防団員の確保が課題となる中、和歌山県の海南市は市消防団の活動の充実や強化を目指し、消防本部に女性部(柏原眞弓部長)を創設。7日に同市消防本部で発足式が行われた。市が女性の消防団員を採用するのは初めて。14人が辞令の交付を受け、防火・防災への決意を新たにした。

県内には、8市に女性消防団員が199人(2023年10月1日現在)が在籍。女性の消防団員誕生は、海南市で9市目となる。

海南市の消防団は15分団661人体制で活動していたが、女性の消防団員はいなかった。

社会情勢の変化により災害も複雑に多様化する中、消防団の組織の見直しが行われ、女性消防クラブなどを消防団に移行して消防団本部に所属することとなった。団員たちは、女性の視点を生かし、平常時の火災予防啓発活動や、災害時の後方支援活動などを担う。女性団員が活動することで、男性のイメージが強い消防団に対し、女性や若者の入団促進に期待がかかる。

同女性部は、50~60代の女性団員を中心に構成。年末警戒をはじめ、幼稚園や地域などを回り、火災予防の啓発活動を行い、災害時には避難所でのサポートなどに当たる。

発足式には、女性団員や関係者らが出席。同市消防団の岡室孝明団長が辞令を交付した。

岡室団長は「自然災害は私たちの想定をはるかに超え、市民の消防に寄せる期待は高まっている。地域に密着した地域防災力の中核として尽力を願う」と期待。柏原部長(68)は「身が引き締まる思い。地域から火災を出さないために、予防啓発や広報活動をしていきたい。次世代に引き継ぐためにも団員を増やしていきたい」と話した。

14人の女性消防団員

14人の女性消防団員