白皮松を植樹 県日中友好協会が山東省訪問団と

山東省からの訪問団は、岸本周平和歌山県知事との会談や祝賀会に先立ち、県日中友好協会(中拓哉会長)が主催する記念植樹に参加し、和歌山市吹上の県立近代美術館敷地内の丘に、両国友好にゆかりの白皮松を植えた。

白皮松は樹皮が白い中国原産の松で、中国では「聖樹」と呼ばれる。和歌山市の赤井一昭さん(89)が大阪府職員時代の1977年に訪中した際に目にし、日本に種子を送ってほしいと依頼。79年、中国から廖承志中日友好協会会長を団長とする訪日団を乗せた「明華号」が来航した際、種がもたらされ、日本各地に植えられるとともに、赤井さんが大切に育ててきた。今回植えた苗木は、当時の種の孫世代に当たる。

植樹場所は、敷地の石畳に山東省産の石が使われ、隣接の県立博物館に県との友好提携10周年の際に同省から贈られた玉の孔子像が展示されていることなどから選ばれた。

植樹には和歌山大学付属小学校の5年生17人も参加し、訪問団団長の白玉剛常務委員らを「你好(ニイハオ)」の声と拍手で出迎えた。

快晴の青空の下、中会長、同協会の岩橋延直名誉会長、濱口太史県議会議長、白常務委員、蔡先金山東省対外友好協会会長らの手で植樹が行われた後、児童らも苗木の根元に土をかけた。

中会長は、日中友好協会の活動や、大学生の時代に結んだ中国の友人との友情が続いていることなどを紹介し、「引き続き青少年にこの運動をつないでいけるように、日中友好に頑張っていく」とあいさつ。白常務委員は「白皮松は両県省の友好を象徴している。将来にわたる友好の強化に努力していきたい」と述べるとともに、児童の参加に感謝し、「友情の継承には活力が必要だが、きょうのこの場所は活力にあふれている」と語った。

植樹された白皮松の前で参加者の皆さん

植樹された白皮松の前で参加者の皆さん