2040年の将来像へ 県が新総合計画策定初会合

和歌山県は10日、目指す将来像に向け、課題解決への行動指針や県庁の果たすべき役割などを示す「新総合計画」の策定本部の初会合を開いた。2040年ごろを展望した「長期構想(ビジョン)」と25~30年の5年間で行う柱となる施策をまとめた「実施計画(アクションプラン)」の二層構造で策定することなどを決めた。

策定本部は岸本周平知事を本部長とし、会議には各部長や振興局長ら県幹部が出席。岸本知事は開会のあいさつで、人口減や地球温暖化などを例に「われわれではどうしようもないような大きな壁がいくつもあるが、それをどう解決していくのか。和歌山県は世界史の中でどんな役割を果たしていけるのか、考えたい。県庁の存在意義は何か、職員一人ひとりがどんな働き方をしたらいいのか議論していただきたい」と呼びかけた。

その後の会議は非公開で行われた。企画課によると、二層構造のうち長期構想では、2040年に実現したい将来像の策定に加え、県庁の果たすべき使命と行動指針を明確に打ち出した構成とし、計画推進に果たす県の役割を明らかにするとしている。

多くの県民や市町村の関心を集め、指針ともなるよう、従来の長期総合計画のように、県施策を網羅して細かな目標設定を行うような総花的な計画ではなく、メッセージ性を重視する方針を決めた。

策定段階から広く県民に関わる「県民総参加プログラム」を導入するとし、振興局別の地域住民を対象とする「2040年の和歌山を語る会」の実施をはじめ、県内の小中学生からの作文や絵画の募集、市町村や分野別の関係団体との意見交換などを進める。

来年の9月定例県議会に計画案の提出を目指す。

策定本部会議であいさつする岸本知事(中央)

策定本部会議であいさつする岸本知事(中央)