漱石が乗ったエレベーター 和歌浦で探す催し
和歌山市和歌浦中の玉津島神社の背後にそびえる奠供山(てんぐやま)。明治時代、同山に設置された鉄製エレベーター昇降機「明光台」の形跡を探す催し「探そう、漱石が乗ったエレベーター」が26日に行われる。
主催はNPO法人和歌の浦歴史・文化・自然支援機構、玉津島保存会、名勝和歌の浦クリーンアップ隊。
聖武天皇の玉津島行幸1300年の第3弾記念行事として行い、当時の古写真を頼りに、明光台のあった場所を探す。
明治43年(1910)、地元旅館「望海楼」の経営者が客寄せのため、高さ30㍍の明光台を設置した。翌年には夏目漱石が同地を訪ね、後に書いた小説『行人』に登場。主人公が「所にも似ず無風流な装置には違いないが、浅草にもまだない新しさが、昨日から自分の注意を惹(ひ)いていた」と語っている。客足が伸びず、開業から6年後に撤去された。
同会会長の渋谷高秀さんによると、発見した後は、同山の麓に建設予定の、和歌の浦魅力向上施設(仮称)の敷地内で、立て看板を設置し展示を行う予定という。渋谷さんは「貴重な古写真を手がかりに、みんなで一緒に探しましょう」と呼びかけている。
午後1時に神社集合。雨天決行。歩きやすい靴、水筒持参で参加。
詳しい問い合わせは渋谷さん(℡090・7349・9161)。