売る側の使命果たす コンビニ店が詐欺防ぐ

特殊詐欺被害を未然に防止したとして、海南署(橋本諭署長)は14日、セブン-イレブン海南船尾店のオーナー北又治さん(55)、店長の北又豊さん(52)、表(おもて)圭子さん(49)の3人に感謝状を贈った。

同署によると、ことし4月5日午前9時半ごろ、70代の男性客が来店し、3000円分のアップルギフトカードを購入しようとしたという。

表さんが購入目的を質問したところ、男性は「携帯電話に1000万円が当たったという通知が来た。お金の受け取りには手数料として3000円のアップルギフトカードが必要」などと説明したため、表さんは詐欺を疑い、北又オーナーと北又店長と協力して男性を説得し、警察へ連絡した。

表さんは「男性はカードカードと言いながら、どんなカードかも分かっていなかったので、何かおかしいと、すぐにオーナーに相談した」とという。その後同署員が駆け付け、男性はだまされていることに気が付いた。

北又オーナーは、日頃から従業員に、高齢者がカードを求めてきた場合は、詐欺の可能性を疑って確認するようにと声かけをしているといい、「言葉巧みに高齢者をだますのは許せない。そういうのを分かっている私たちが教えてあげて未然に防ぎたい。それが売る側の使命だと思う」と話した。

贈呈式は同署で行われ、橋本署長が3人に感謝状を贈呈。橋本署長は「少額から回数も増えて高額になり被害が拡大する。水際で止めてくださり、ありがたい。引き続きお願いします」と話した。

 

橋本署長㊧から表彰を受ける北又オーナー