災害時の利用で協定 海南市とルートイン

和歌山県の海南市は、全国にホテルを展開するルートインジャパン㈱(東京都品川区、永山泰樹代表取締役)と「災害時における宿泊施設利用に係る協定」を結び、28日に市役所で締結式を行った。

30日には同市名高にホテルルートインGrand海南駅前が開業。地上12階建て、総客室数248室、収容人数は345人。

災害時は、妊産婦や乳児、満75歳以上の高齢者など避難や生活に配意を必要とする人の避難場所として、また、医療従事者など各種支援活動のために同市に来る人の宿泊場所として利用される。

同社は各自治体と災害時の協定を結んでおり、県内では紀の川市についで2番目。ことし1月1日に発生した能登半島地震で、ホテルルートイン輪島が医療従事者の宿泊施設として利用されたことで、輪島漆器とつながりの深い、漆器の生産地である同市が、同社に災害時の医療関係者らの宿泊施設としての利用申し出をしたことから、締結に至った。

締結式には神出政巳市長や永山代表らが出席。神出市長は、南海トラフ地震発生時には約2万人の避難者が想定されることから「避難や生活の配慮を必要とする人の受け入れ体制や復興支援者の宿泊施設の確保は重要な課題だった。宿泊場所として提供いただけることは心強い」と感謝を述べた。

永山代表は「災害時にホテルの利用価値が試される。万が一のときは同市や地域の皆さまの役に立てるよう、グループを挙げて取り組んでいく」と話した。

締結書を手に神出市長㊧と永山代表取締役

締結書を手に神出市長㊧と永山代表取締役