ご当地WAON新発行 世界遺産保全へ寄付
流通大手のイオングループは7日、電子マネーWAON(ワオン)の利用額の一部を地域支援のために寄付する取り組み「ご当地WAON」の新しいカード、アプリ「世界遺産高野山・熊野WAON」を発行する。同日に登録20周年を迎える世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保全と活用に役立てられるもので、和歌山県庁で5日、お披露目式が行われた。
WAONは全国約139万カ所で利用できる電子マネーで、累計発行枚数は約1億310万枚。ご当地WAONは利用された金額の0・1%を寄付する仕組みとなっており、県関係ではすでに、イオンモール和歌山(和歌山市)がオープンした2014年3月に発行を開始した「紀の国わかやまWAON」がある。今回の「世界遺産高野山・熊野WAON」は、県とイオン㈱が2月に包括連携協定を結び、多様な分野での協力をさらに推進する一環として発行が決まった。
7日に県内のイオングループ17店舗でカード(1枚300円)を発売し、アプリ版(無料)のダウンロードも開始。カードの販売はその後、順次全国に拡大する。寄付は県世界遺産協議会(会長=岸本周平知事)に行い、世界遺産に関する教育や構成資産の保全活動などに使用される予定。
県庁知事室でのお披露目式には、イオングループのイオンリテール㈱執行役員・近畿カンパニー支社長の川本昌彦氏、㈱ダイエー近畿支社近畿マーケティング部長の梶村直之氏らが出席し、岸本知事と共に新たな地域貢献事業のスタートを喜んだ。
紀の国わかやまWAONの23年3月~24年2月分の寄付も併せて行い、川本氏が岸本知事に目録を贈呈。今回の寄付金額は237万7939円(イオンリテール185万9347円、ダイエー51万8592円)、開始以来の寄付総額は2008万8516円となり、岸本知事は川本氏と梶村氏に感謝状を手渡した。
岸本知事は「2014年から寄付を続けていただき感謝している。(新たなご当地WAONが)世界遺産登録記念日の7日にスタートするのはありがたく、盛り上がる」と感謝。川本氏は「地元の方々への地域貢献活動として取り組んでいる。店舗でも地元の商品をどんどん入れ、地産地消を進めるなど、連携していきたい」と話した。