負担軽減を国に要望へ 協会けんぽ
主に中小企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)和歌山支部(東誠支部長)の本年度第1回評議会が10日、和歌山市六番丁の和歌山第一生命ビルで開かれた。悪化する協会けんぽの財政基盤強化や加入者・事業主の負担軽減のため、国庫補助率の引き上げなどを求める行動計画が話し合われた。
同支部によると、協会けんぽの財政は、医療費支出が保険料収入の伸びを上回り、高齢者医療への拠出金が支出の約4割を占めるなどの要因で悪化。保険料率は3年連続で引き上げられ、全国平均で平成20年10月の8・20%から、ことし3月には10・00%となっている。
保険料率を他の健康保険と比べると、主に大企業の従業員が加入する健保組合が7・926%、国家公務員の共済組合が7・06%で、協会けんぽが最も高い。加入者の平均年収を比べると、協会けんぽ370万円、健保組合536万円、共済組合666万円となり、収入の低い中小企業の従業員が高い割合で保険料を負担している。
国は現在、協会けんぽの保険給付に16・4%の補助を行っているが、これは22~24年度の時限措置のため、来年度は従来の13・0%に戻ることになる。
協会けんぽは本年度の取り組みとして、国庫補助率を法定上限の20%に引き上げ、高齢者医療制度を抜本的に見直すよう国に求める署名活動を展開する。
評議会では、和歌山支部として被保険者の約1割に当たる1万5500人の署名を目指すなどの行動計画案を示し、評議員の了承を得た。