立冬に「こも」巻き 城公園の松250本に

松の幹にこもを巻く市職員ら
松の幹にこもを巻く市職員ら

「立冬」を迎えた7日、和歌山市は和歌山城公園で、園内の約250本の松に「こも」を巻く恒例の作業を行った。

マツカレハの幼虫(マツケムシ)などが、寒くなると枝から下りて落ち葉などの下で越冬する習性を利用し、わらで作ったこもを幹に巻いて誘導し、春先に焼却する昔ながらの害虫駆除の方法。

和歌山城では江戸時代から行われているとされ、「立冬」にこもを巻き、翌年3月上旬の「啓蟄(けいちつ)」の日(来年は5日)に外すのが伝統となっている。

この日は午前9時から、市和歌山城整備企画課の職員8人が一の橋付近から作業を開始。園内各所に植えられた松を順に回り、幅50㌢ほどのこもを木の大きさに合わせて調整し、根元から1㍍ほどの高さで幹に巻き付けていった。

実際にこもから害虫が見つかることは少ないが、冬の風物詩として市民に親しまれている。この日の朝は冷え込み、同課は「こもを見て、より冬の訪れを感じてもらえるのではないか」と話した。