山歩きの感動伝える 児嶋弘幸さんが写真展

山を愛する児嶋さん
山を愛する児嶋さん

和歌山市のライターで写真家の児嶋弘幸さん(71)の写真展「山歩きの軌跡…」が、同市古屋のティーズカフェで開かれている。季節や天気、時間など二度と出合えないタイミングを切り取った景色や、苦労して登った物語などを封じ込めた作品十数点が並ぶ。2月5日まで。

児嶋さんは、紀伊半島の山の撮影をライフワークとして、熊野古道や自然風景を写してきた。

社会人になった21歳ごろ、山登りで苦労した先にある美しい景色を見たことがきっかけで山に魅了されたという。それ以来、山登りの会をつくり、関西の山を中心に仲間たちと登山を楽しんでいる。

30年ほど前からは、県登山ガイドの『和歌山県の山』(山と渓谷社)を担当し、写真や文章でコースを紹介する他、ガイドエリアマップ「山と高原地図」(昭文社)の熊野古道や高野山エリアの地図を作製。道の変更などで地図を改訂するため、現在も活動している。

8年前には、ハイキングクラブ「自由参加の会」を創設。32人が所属し、月に1回、生石高原をはじめ、関西一円の山を登る。今回の写真展では、会員に向けて発行する小冊子『一年間のあゆみ』の表紙となった7点と児嶋さんが山歩きで撮影した計11点が並ぶ。

雪化粧の稲村ヶ岳や霧がかかった沢のある金剛山もみじ谷など、都会では味わえない風景が広がる。作品を鑑賞した会員の味村佳奈さんは「『このときは暑かったな』とか、作品一枚で登った時の背景を思い出す」と話し、児嶋さんは「苦労なしでは見られない、そこに行かないと出合えない景色です。新しい発見や感動を得てもらえれば。ぜひ原版で見てください」と話している。

午前11時~午後5時。定休日は毎週木、金曜日。問い合わせは同店(℡073・460・4715)。