色とりどりの「シェイブアイス」

虹色のトッピングが美しい「シェイブアイス」
虹色のトッピングが美しい「シェイブアイス」

前号では、環境に配慮した移動を促進する、米国のライドシェアの事例を取り上げた。ことしは梅雨らしくなく既に真夏のような暑い日々。ハワイでも涼を求めて、氷菓子を食べる文化がある。今週はハワイで愛される「シェイブアイス」を紹介したい。

シェイブアイスは削った氷にシロップをかけた氷菓子で、日本のかき氷に近い。かき氷よりも氷を細かく削ることにより、シャリシャリとした食感ではなく、フワフワして軽い口当たりであるのが特徴。ここに、色とりどりのシロップがかけられ、さらにフルーツや練乳、アイスクリームなどがトッピングされる。カラフルなシロップで虹色を表現するシェイブアイスは、ハワイを代表するスイーツの一つである。

起源は日本からハワイに移民した労働者。農園で暑さをしのぐため、日本から持ち込んだ機械を用いて氷を削るようになったという。そこにハワイのトロピカルなフルーツを使ったシロップやさまざまなトッピングが加わり、シェイブアイスの文化が定着した。主に現地の農園で収穫されるマンゴー、パインアップル、ココナッツ、ストロベリーなど、濃い味の果物が使われ、お店によって種類はさまざま。オリジナリティーのあるシェイブアイスを作ることができ、見ているだけで暑さを忘れ、晴れ晴れとした気持ちになれる。

気候が温暖な和歌山では、ハワイのようなトロピカルな果物の収穫は難しいが、全国に誇る果物の産地。新鮮で口当たりの良い水も存在し、ポテンシャルはあるはず。地域の特産品で作られた華やかなスイーツ。見る喜びと食べる喜びを兼ねそろえたシェイブアイスをぜひ。(次田尚弘/ホノルル)