災害時に衣類供給の協定 和歌山市×ファストリ

「防災の日」の1日、災害時の避難生活の環境改善を図るため、和歌山市は衣料品ブランドのユニクロやGUを展開する㈱ファーストリテイリング(山口市、柳井正社長)と、災害時に衣類などの供給で協力を受ける協定を締結した。同社と中核市の防災協定は全国で初めて。
協定に基づき、市内で大規模災害が発生した場合、同社は市の要請に応じて、日常着や下着などを供給する。季節やニーズに応じて、暑さ対策、防寒など同社が持つさまざまな機能性衣類が避難所の生活を支えることが期待される。
同社は東日本大震災以降、国内外の災害時に被災地への物資供給や仮設店舗の出店などの支援活動を継続し、17の道府県・政令市と防災協定を締結。複数店舗を営業する和歌山市内でも有事の地域支援を考えていたところ、市から協定の打診があり、18件目の締結が実現した。
締結式は市役所で行われ、尾花正啓市長とオンライン出席した同社の新田幸弘グループ執行役員が協定書を確認。同社には、災害協定の締結事業所であることを示す認定プレートが贈られた。
尾花市長は「災害関連死が大きな問題となっている。暑さ・寒さ対策にも衣料の提供は必要不可欠であって、避難生活の環境向上の面からも大事だ。協定は大変ありがたく心強い」、新田執行役員は「災害時の企業の役割は、支援者であると同時に地域の一員としての責任を果たしていくこと。協定は地域社会との信頼関係を深め、災害時の連携をより強固にする大きな一歩と考えている」と述べた。