科学英語で意思疎通 向陽高で英国生迎え講座

DGSの生徒と話す向陽の生徒ら
DGSの生徒と話す向陽の生徒ら

和歌山市太田の県立向陽高校(松本泰幸校長)に16日、英国姉妹校のダートフォードグラマースクール(DGS)の生徒30人が訪問。向陽高の生徒46人と共に国際実験講座に参加した。

同校では文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校の取り組みの一環として、2011年から同様の実験講座を行っている。前年度までは環境科学科が対象だったが、普通科にもSSHの授業を広めるために、本年度から普通科の1年生も希望すれば受講可能となった。

生徒たちは2クラスに分かれて受講。和歌山大学システム工学部システム工学科の大須賀秀次准教授の講座では、大型テレビやスマートフォンなどに採用される有機EL素子の発光材料について説明を受け、その合成や発光色を観察。

また、近畿大学生物理工学部遺伝子工学科の齋藤貴宗准教授の講座では、生命科学の研究でモデル生物として用いられる線虫のピックアップや解剖実習を行い、減数分裂について学んだ。

同校1年生の田村碧唯さんは「あまり日常では使わない専門用語を英語で言うのが難しかった。日本語も少し知ってくれていたのでジェスチャーなどでコミュニケ―ションを取りました」、立畑久遠さんは「高校ではできないような難しい実験だったが、外国の方と学べていい経験になりました」と話した。

化学の実験講座に参加したDGSの生徒は「実験はとても面白かった。特に発光色の観察が楽しかった」と笑顔で語った。

SSH推進部部長の谷地祐介教諭は、「簡単な日常会話は話せても、科学英語は専門用語も多く難しい。しかし、論文を読むなど大学進学時に必要となるため、たどたどしくても科学英語でコミュニケーションを取ろうとする姿勢は重要」と話していた。