災害時に車両を無償貸与 和歌山市とスズキが協定

協定書を手に(左から)中谷社長、尾花市長、村木部長
協定書を手に(左から)中谷社長、尾花市長、村木部長

和歌山市と㈱スズキモーター和歌山(同市狐島)、スズキ㈱(静岡県浜松市)は17日、災害時にスズキ車両の無償貸与などで協力する内容の防災協定を締結した。同社は全国の自治体と同様の協定を推進しており、近畿地方では今回が初めて、全国では10例目となった。

協定に基づき、市内で大規模災害が発生した場合、両社は市の要請に応じてスズキの商用車や電気自動車(EV)を貸与する。9月に静岡県牧之原市で竜巻が発生した際は、同市との同様の協定に基づき、軽トラックや軽の箱バンなどが貸与され、人員やがれきなどの運搬に役立った実績がある。

EVに関しては、スズキの新車両「eビターラ」が来年1月ごろに投入される予定で、災害による停電発生時には、避難所などでの給電用に貸与される。

締結式は市役所市長室で行われ、尾花正啓市長とスズキモーター和歌山の中谷久生社長、スズキの村木政志日本営業企画部長が協定書に署名した。

尾花市長は「和歌山の道は狭く、機動性が必要なので、災害時の軽車両の貸与は心強く、給電に使えるのも大変ありがたい。協定を有効活用して、市民の安全安心を守っていきたい」、中谷社長は「和歌山市を元気に盛り上げ、貢献したいと考えてきた。地元を守るお役に立てたらうれしく、防災に協力していきたい」と話した。