生の舞台届けたい 和歌山演劇鑑賞会400回記念例会

カーテンコールで観客と劇団員が歌った
カーテンコールで観客と劇団員が歌った

和歌山市で新劇を中心とした演劇を鑑賞する会員制の非営利団体、和歌山演劇鑑賞会は鑑賞400回目を迎え、12、13の両日、同市七番丁の和歌山城ホールで記念例会を開いた。

東京から人形劇団プークを招き、「オッペルと象」を上演。同作品は宮沢賢治原作の童話で、地主の「オッペル」が迷い込んできた白象に重労働を課して酷使し、白象の仲間たちによって倒される物語を基にしている。同劇団の公演は約10年前から行われ、和歌山では3回目となる。県内の会員数の半数にあたる約700人が来場した。

同会は1966年に創立。同年5月の劇団文化座公演「炎の人」を第1回例会として年に4~8回の例会を開き、多くの作品を紹介してきた。

今回は第400回記念例会として大ホール前に横断幕を掲げ、終演後には劇団員とのロビー交流や、カーテンコールでは劇団員と共に劇中歌を歌うなどのイベントが行われた。

人形劇は、人形の表情が変わらないため喜怒哀楽の表現が伝わりづらい。そのため、首を傾けるなどの動きや声色を変えて演じ分けることで感情を表現しているという。

同劇団の代表取締役で制作部長を務める石田伸子さんは「来年で創立60周年を迎える和歌山演劇鑑賞会さんに呼んでいただけてうれしい。これからも多くの方々に見てもらえれば。テレビサイズの人形劇もあるが、お客さまに見に来ていただける方が会場一体となって作品をつくっているようでやりがいを感じます」と話した。

同会の山入桂吾代表幹事は「新型コロナの流行など困難があったが、会員たちのおかげでここまで続けてこられたので感謝している。和歌山で演劇を開催できることに誇りを持っています。もっと多くの人たちに生の舞台を見てもらいたい」と話していた。