重要文化財を火災から守る 那賀消防が粉河寺で訓練

26日の「文化財防火デー」を前に、和歌山県紀の川市粉河の粉河寺で24日、那賀消防組合による総合消防訓練が行われた。粉河寺の自衛消防隊、同市消防団、那賀消防組合から45人が参加。通報、重要文化財の搬出、そして一斉放水と、有事の際の手順を実践さながらに確認した。
文化財防火デーは、1949年に奈良県の法隆寺金堂壁画が火災で焼損したことを受けて制定された。大切な歴史的遺産を火災などの災害から保護するため、全国で啓発運動を実施している。
今回の訓練は、境内にある国指定重要文化財「千手堂」付近から出火し、国宝の「粉河寺縁起絵巻」を所蔵する本堂へ延焼する恐れがあるとの想定で行われた。
巡回中の職員が火災を発見し、119番通報。境内の火災報知設備を鳴動させて周囲に知らせ、貴重な物品に見立てた段ボール箱を慎重に屋外へと運び出した後、放水銃による初期消火に取り組んだ。その後、現場に駆けつけた消防団と消防隊が合流。自衛消防隊長から得た情報を基に迅速に活動方針を決定し、8口のホースから一斉放水を行って、建物への被害を食い止める一連の動作を完遂した。
同消防組合の木下修消防長は「文化財を火災から守り後世に伝えていくためには、関係者が一体となって火災を発生させない環境づくりが重要である」と講評した。
同消防組合の管内には、国宝を含む貴重な文化財が52件あり、同組合は、地域の宝を次世代へ引き継ぐため、今後も立ち入り検査や防火啓発を継続していくとしている。


