過去最大の総額6499億円 県新年度予算案

和歌山県は12日、2026年度当初予算案を発表した。一般会計は総額6498億5095万円(前年度比5・9%増)で過去最大規模。昨年策定した新総合計画に掲げる2040年の目指す将来像「人口減少や気候変動に適応した、持続可能で心豊かな和歌山」「個人が尊重され、あらゆる分野で個性輝く和歌山」の実現に向け、道筋をつける初年度の予算と位置付けている。19日開会の2月定例県議会に提案する。

宮﨑泉知事の就任後初めての当初予算で、「こどもまんなか社会の実現」「次世代型産業構造への転換」「人口減少に適応した社会システムの構築」の3点が編成の柱。子育て支援の強化、脱炭素化の推進、宇宙産業などの成長産業の開拓、医療・介護や公共サービスの維持、広域化などの事業を盛り込んでいる。

宮﨑知事は「人口減少に適応しながら、活力ある積極的な予算が組めたと思っている」と述べた。

歳入

県税収入などの自主財源は2908億円で全体の44・8%を占め、依存財源は3590億円。

自主財源のうち、県税収入は前年度比2・3%増の1006億円。個人県民税は賃上げなどの影響で37億円(11・1%)増の370億円を見込む。地方消費税は13・1%増の228億円。自動車税は環境性能割の廃止の影響で11・8%減の106億円、軽油引取税も暫定税率の廃止により減収見込みで、52・9%減の28億円となっている。

依存財源は、給与関係経費の増加などにより地方交付税が7・6%増の1969億円となり、地方交付税で措置される臨時財政対策債の発行は25年度に続けてなしの見込み。国庫支出金は2・2%増の834億円。

県債発行額は2・2%減の524億円で、県債依存度は0・6減の8・1%。26年度末の県債残高は2・4%減の1兆295億円となる見込み。臨時財政対策債を除くと7881億円で、県民1人当たり87万4000円の借金となる。

収支不足の125億円は県債管理基金の取り崩しで対応し、同基金と財政調整基金の26年度末残高は合計110億円を見込んでいる。

歳出

義務的経費は5・8%増の2573億円で、歳出全体の39・6%を占める。うち人件費は、人事委員会勧告に伴う給与改定による増加や定年退職者増に伴う退職手当の増加などにより6・2%増の1480億円。県債の返済に充てる公債費は、元金の増加、金利上昇に伴う利子の増加により3・5%増の849億円となっている。

政策的経費のうち建設事業費などの投資的経費は5・1%減の973億円。内訳をみると、普通建設補助事業は、紀北支援学校の校舎整備などの増加により4・7%増の591億円。普通建設単独事業は、消防救急デジタル無線再整備の減少や、紀伊風土記の丘新館建設の増加などがあり、全体で16・5%減の212億円。直轄負担金は14・9%減の87億円。災害復旧費は21・2%減の82億円を計上している。

補助費等は、地方消費税清算金、同交付金などの諸支出金や、高校授業料支援、学校給食費無償化などの増加、25年実施の国勢調査費の皆減などがあり、全体で9・3%増の1618億円。その他の歳出は11・2%増の1334億円となっている。

財政の見通し

26年度末の県債管理基金と財政調整基金の残高見込み110億円は、県が23年2月に「財政危機警報」を発出した際の試算103億円を上回ったが、物価、金利、賃金の上昇、高齢化の進展などの影響で歳出は今後も大幅な増加が見込まれており、新たな試算で両基金は28年度に枯渇する見通しとなっている。

対策として、26年度までを取り組み期間とする新中期行財政経営プランを前倒しで見直し、新たに「行財政経営・組織力強化プラン」を26年3月末に策定。両基金の残高について、最低確保水準を110億円、災害などのリスク対応を見据えた水準を180億円とする2段階の基準を設定する他、財政危機警報の注意報への緩和、解除の基準も定める。

さらに、既存事業の効果検証や見直しを進める「行政事業レビュー」を26年度から実施する。

この他、国庫補助金の活用による県財政の負担軽減、新たな歳入確保策の検討・導入を進め、さらに生成AI(人工知能)やデジタルツールの活用による職員の事務負担の軽減、生産性の向上を図るとしている。

宮﨑知事は「必要な予算をしっかりと確保し、同時に持続可能な財政運営を行っていけるよう、一層の危機感、緊張感をもって、これからも県政を進めていきたい」と話した。