過去最多の宿泊客109万人 25年の和歌山市

過去最多の宿泊客数について説明する尾花市長
過去最多の宿泊客数について説明する尾花市長

和歌山市は19日、2025年の市内の年間宿泊客数が前年比8・1%増の109万4739人に達し、統計が残る1976年以降の最多を更新したと発表した。100万人突破は2年連続で、特に外国人宿泊客数は同51・4%増の大幅な伸びを示し、市は大阪・関西万博に向けて行っていた先行プロモーションの効果などが功を奏したと見ている。

外国人宿泊客数は14万4106人で、前年の9万5158人から約5万人増。地域別ではアジア圏が49・1%増、ヨーロッパ圏が37・8%増といずれも高い伸び率となった。特にフランスからの宿泊客は、全国平均の前年比伸び率14・5%に対して、市内は54・5%の大幅な増加を記録した。

好調の背景には、大阪・関西万博の開幕前から市が行った先行プロモーションがある。フランスとイギリスにはSNS広告を打ち、市内や県内の観光情報へと誘導。特に、日本の文化や精神性への関心が高いフランス人観光客に対し、和歌山城や高野山、那智の滝といった資源が強い訴求力を示したと分析している。

プロモーションで広域観光ルートに市が組み込まれる機会も増え、市内での宿泊施設の新設やリニューアルが進み、多様なニーズへの受け皿が充実したことも全体の好調に寄与したとみられる。

尾花正啓市長は同日の定例会見で、県内各地を観光で回りたいと希望する外国人などが、市をゲートウェイ、周遊の拠点として宿泊することが増えたと説明。「以前は和歌山市だけの宣伝をしていたが、県全体の宣伝もすることで市に泊まってもらう形で、宿泊客数を増やしていきたい」と話した。

一方、昨年11月の高市早苗首相の「台湾有事」に関する国会答弁を受け、中国側が日本への渡航自粛を呼びかけたことから、中国人観光客は年末に急減。11月までは前年比で増加が続いていたが、12月は23・9%減と大きく落ち込んだ。

尾花市長は、現状は国内客や他地域のインバウンドの増加で中国からの減少分はカバーできているとし、今後は特に個人客をターゲットとした誘客を進めていく考えを示した。