初の自叙伝を刊行 アマチュア落語家の小笠原さん

刊行した自叙伝を手に小笠原さん
刊行した自叙伝を手に小笠原さん

和歌山市のアマチュア落語家「ゴスペル亭パウロ」こと小笠原浩一さん(64)が、自身初となる自叙伝『神様のシナリオに笑いを添えて』を、いのちのことば社から発刊した。全国各地を飛び回り、落語の公演を行うなど多忙な半生をまとめた一冊。小笠原さんは「この本が、誰かの役に立てばうれしい。笑えば心が軽くなる。笑って過ごしましょう」と話している。

小笠原さんはキリスト教の教えを落語で説く「宣教落語家」として活動している。50歳を前にして落語の魅力を知り、和歌山市が主催するワークショップに参加。地元落語家の桂枝曾丸さんに手ほどきを受けた。

また、紀伊半島大水害時、串本や新宮にトラックで物資を運んだことをきっかけに、防災士の資格を取得。命を守るための知識を紹介する「防災落語」も始めた。

その他、特殊詐欺被害防止、平和の尊さを呼びかける落語などを創作し、県内外の教会や高齢者施設などで落語を披露。東日本大震災の被災地にも毎年足を運び、現地で聞いた声や課題を落語に取り入れて伝えてきた。2026年度内まで、通算700回の高座に上り、全国を飛び回っている。

自叙伝では、キリスト教や落語との出合い、「ハンガーゼロ親善大使」としてのカンボジアでの子どもたちとの交流、東日本大震災被災地での落語会の活動など、信仰と笑いを通じた日々を、ユーモアたっぷりにつづっている。

各地で公演する多忙な毎日の中で、24年にはステージ3の腎臓がんと診断された。同書では、大病からの回復、生かされていることへの感謝の思いを記した。前向きに過ごす闘病の日々や病院内での看護師とのやりとりなどを、独自の軽妙な語りで紹介。自叙伝は、手術を終えて入院中の5日間で一気に書き上げたという。

小笠原さんは「読んでくれた皆さんそれぞれに、答えがあると思います。一度読んだ後も、しんどくなった時にまた読んで、ふっと心が軽くなれば」と話している。

B6判、82㌻。550円。インターネット「Amazon」、宮脇書店和歌山店(和歌山市広瀬中ノ丁)などで販売している。