向陽高校の理学部が大賞 第25回わかやま環境賞

大賞に輝き、宮﨑知事や来賓らと記念撮影する県立向陽高校理学部
大賞に輝き、宮﨑知事や来賓らと記念撮影する県立向陽高校理学部

環境保全に関する活動が他の模範となる個人・団体を和歌山県が表彰する「第25回わかやま環境賞」の受賞者が決まり、県庁正庁で8日、表彰式が行われた。最高賞の「わかやま環境大賞」に選ばれた県立向陽高校理学部(和歌山市)をはじめ、6団体の代表が出席し、宮﨑泉知事らが功績をたたえた。

大賞に輝いた向陽高校理学部は、紀の川下流域で魚類や水生生物の調査を継続して4年目。部員たちは月に2回、川に出かけ、投網やわなを使って水生生物を採取、観察し、30種を超える生物相を確認しており、学術誌に論文を発表するなどしてきた。

同部の調査の主な功績の一つに、淡水魚のツチフキが紀の川で繁殖している実態を明らかにしたことがある。ツチフキはコイ科カマツカ亜科で、元来は琵琶湖や淀川水系に見られるが、国内外来種として関東地方などにも分布。近年は自然分布が減少し、特に淀川での確認例は極めてまれとなり、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されている。

ツチフキの紀の川への移入は疑問視される面もあったが、同部の調査によって成長途中の幼魚も確認され、すでに定着して繁殖していると考えられることが分かった。

同部は一昨年、大賞に次ぐ「わかやま環境賞」を受賞しており、継続した取り組みによる成果が今回、さらに大きな表彰を受けた。

部長の田村魁都さん(3年)は「まさか大賞を頂けるとは思っておらず、驚いた。皆で頑張ってきた活動が実を結んでうれしい。私たちが先輩から引き継いできた活動を、次は後輩たちに引き継がないといけない」と喜びを話した。

受賞した各団体の皆さん
受賞した各団体の皆さん

今回の他の受賞者は、「わかやま環境賞」が㈲ヒカル・オーキッド(有田市)、㈲深見梅店(上富田町)、和歌山信愛中学校高校グローバルアクティビティ・クラブ(和歌山市)の3団体。ヒカル・オーキッドは、産業廃棄物を出さないコチョウランの製造や回収、再利用サービスの提供、深見梅店は、梅の生産加工において廃棄物ゼロのシステムを確立したこと、同クラブは、外来植物から生分解性のごみ袋を作る研究がそれぞれ評価された。

「特別賞」は一般社団法人しろにし(有田川町)、みなべ町立高城小学校の2団体が受賞。しろにしは、過疎地域の課題に地域内外の人々と共に取り組み、活力創出と里山保全を実現しており、同小は、地域資源を生かした土壌づくりや農業体験を行い、環境保全と地域とのつながりづくりに取り組んでいる。

表彰式では、宮﨑知事が受賞各団体の代表に表彰状と盾を手渡し、「皆さまの熱心な取り組みが模範となり、環境保全活動が幅広い世代、分野で広がっていくことは、県の豊かな環境を将来に引き継ぐために大変重要だ」と式辞を述べた。

来賓として岩田弘彦県議会議長、県環境表彰委員会の中島敦司委員長はじめ委員らが出席し、受賞者をたたえた。