ゲームで地域課題に挑戦 県がクリエイター育成支援

GGXのイベントで交流するゲームクリエイターら(2025年9月、県提供)
GGXのイベントで交流するゲームクリエイターら(2025年9月、県提供)

若年層の流出による地域の衰退や、デジタル社会で求められるスキルへの対応などの課題に対し、和歌山県が「ゲーム」を原動力として解決に挑んでいる。eスポーツの推進とゲームクリエイターの支援を柱に、新たな若者文化の形成、デジタル人材の育成・集積による地域経済の発展などを目指し、自治体主導による全国的に珍しいゲームクリエイターのコミュニティ運営など、発展への基盤づくりが進んでいる。

県デジタル社会推進課によると、県内は生産年齢人口の減少が著しく、若年層の流出が地域衰退の要因となっている。進学や就職に伴う流出以外に、娯楽や多様な人々との交流機会の少なさが背景にあるとの仮説に基づき、県は「ゲーム」に着目した。

ゲームに関する各種調査・統計によると、Z世代の約8割がゲームプレイヤーであり、国内ゲーム人口は約5500万人に達し、国内ゲームコンテンツ市場の規模は2024年で2兆3961億円となり、10年前の約2倍に伸びる成長産業となっている。

ゲームは誰でも参加できる全世代的なエンターテインメントであり、パソコンやスマートフォン、ネットワークを使うため、遊ぶことで自然とデジタルの基礎的素養が身に付く。さらにゲーム開発への参加となれば、プログラミングをはじめとする技術や創造力、コミュニケーション能力などのスキルが養われるメリットもある。

eスポーツ推進では、24年度から県立高校での部活動を支援し、向陽、星林、粉河などモデル校6校に対してパソコンなどの機材や回線の整備を行い、外部指導者の派遣も実施。高校eスポーツ選手権や県内企業の交流戦を開催し、競技人口の拡大も図ってきた。今後は人材育成に力を入れながら、eスポーツを若者文化として定着させ、事業を民間主体へと移行させることを目指している。

ゲームクリエイター支援の核となるのが、25年8月に開設した「Game Grove x」(ゲームグローブクロス=GGX)。プロのクリエイターや学生、社会人らが立場を超えて交流、学習、発表などができる場であり、ゲーマーに人気のオンラインコミュニケーションツール「Discord」上を主な交流の舞台としている。

運営スタッフ含めて約250人が参加し、年代別では20代が40%、10代が31%と若年層が中心。居住地別では県内が29%、大阪府が32%など近畿圏が多いが、東京や海外からも広く参加している。

昨年度は、ゲーム制作に関するオンラインセミナーを連続開催した他、約70人が参加して8チームに分かれてオリジナルゲームを制作。26年1月には制作したゲームのコンテストと作品展示を含むイベント「GGX Games Showcase」を和歌山市内で開き、約350人がGGXメンバーの作品を楽しみ、交流した。最優秀賞の作品は商品化も決まり、初年度から質の高い成果を生む取り組みとなっている。

デジタル社会推進課の担当者は「GGXでスキルを習得し、県内で起業する人がいれば、最も直接的に雇用や産業への効果がある。県外のゲーム会社に就職しても、GGX出身者として技術や和歌山に関する情報も発信してもらえる。ゲームと直接関係のない地元企業に就職しても、デジタルのスキルで即戦力になり得る。さまざまな和歌山へのメリットがある」と話し、今後のさらなる事業推進へと意気込む。

キックオフ参加を 4日和市内で開催

GGXの本年度キックオフイベントが7月4日午後1時~5時半、和歌山市黒田のトランス・コスモス㈱CXスクエア和歌山で開かれる。16歳以上なら経験、職業を問わず無料で参加でき、定員は先着80人程度。活動紹介や本年度の活動計画の発表、ゲーム業界で活躍する人を招いたセミナー、交流会を予定している。

申し込みはフォームから。6月26日午後6時締め切り。