転出者への「ふるさと便」 県内自治体に広がる

ふるさとの特産品を箱詰めして発送
ふるさとの特産品を箱詰めして発送

和歌山県外へ転出した若者を対象に、地元の名産品などを無料で届ける「ふるさと便」の事業が、本年度からは、これまでの和歌山市に加えて有田川町と橋本市でも実施され、県内の自治体に広がりを見せている。企業マーケティングなどを行うシナジーマーケティング㈱(大阪市)が、2023年2月から1年間の実証実験を経て和歌山市と始めた取り組み。地元の名産品や企業情報を届けることで、郷土愛を高め、将来的なUターンや関係人口の創出につなげる。

高校卒業時や20歳、新社会人(30歳以下)などの節目を迎えた県外へ転出した若者を対象に、新生活を応援する「ふるさと便」を発送する。

「ふるさと便」には、対象者の出身地域に応じ、ご飯の供、ドリンク、日用品など15商品ほどがランダムで梱包され、地元企業情報や応援メッセージも同封される。

同社が運営する、ふるさとと地元をつなぐファンメディア「FAVTOWN(ファボタウン)」に会員登録することで対象となる。現在の会員登録数は約9000人、協賛企業は50社に上る。

6月25日には、同市湊の就労継続支援B型作業所一般社団法人クリエイターズで箱詰め作業があり、数日かけて約1500個の梱包を行った。

作業者は入れ方などを工夫し、丁寧に作業し発送。ふるさと便を受け取った人らがSNSなどで喜びの声を発信するなど、作業所には温かい気持ちが返ってきているという。

同社が実施したアンケート調査によると、県外在住の学生会員の5割以上が「将来的にふるさとへ戻りたい」と回答。また、過去にふるさと便を受け取った層は、Uターン率が高い傾向にあるという。

同社メディア事業部の平手和徳部長は「20年近く地元で過ごした若者たちとの縁をつなぎたい。ふるさと便を通じて地元の企業のことを知ってもらい、ふるさとに関わってほしい」と話し、和歌山市の担当者は「転出して地元の魅力が分かることもある。ふるさと便で地元を思い出し、就職などで戻ってくるきっかけになれば」と話している。