「しらす干し」の購入数量

前号では、しらす漁の特徴と地域性について取り上げた。漁獲量で比較すると和歌山県は全国9位(2023年の農水省統計)だが、家庭における購入数量は全国でもトップクラスという。今週は全国の統計値から和歌山の特徴に迫りたい。

統計局が実施する「家計調査」。全国の約9000世帯を対象として家計の収入や支出などを月ごとに調査するもので、集められたデータは景気判断など、政策立案の基礎資料として活用される。

都道府県庁の所在地と政令指定都市ごとに、1世帯当たりの消費支出について細かな品目を設け、各市の購入頻度、支出金額、購入数量、平均価格の4項目に分けて公表される。その品目の中に「しらす干し」がある。

2人以上の世帯を対象とした2025年の調査によると、購入数量の第1位が静岡市で803㌘(支出金額3050円)、第2位が和歌山市で777㌘(支出金額2775円)、第3位が水戸市で587㌘(支出金額2297円)。24年の調査を見ると、購入数量の第1位が和歌山市で1073㌘(支出金額3394円)、第2位が京都市で998㌘(支出金額3163円)、第3位が静岡市で935㌘(支出金額3127円)。

比較すると、24年の首位であった和歌山市が、翌年にはその座を静岡市に譲り渡した形になる。和歌山市の購入数量は1年のうちに約27%減少、静岡市も約14%減と、いずれも減少傾向にあるが、和歌山市の減少幅が大きいことが分かる。

あくまで統計値であり、毎年同じ世帯を対象に行う調査ではなく、漁獲量の変化や物価高など、さまざまな要因があり、明確な理由にたどり着くのは容易ではない。

他の地域と張り合うものではないが、しらすを多く食する和歌山ならではの文化を今後も守り続けたい。(次田尚弘/和歌山市)